2026年8月29日土曜日

人形たちの後ろに

昨日は、水戸市立博物館で開かれている「郷土人形 昔のおもちゃの展覧会」を見てきました。
見ていたら、会場にいらした、博物館の方かあるいは市のボランティアの方かわかりませんが、薄い冊子を持ってきて見せてくれました。


それは、郷土玩具の展示会、「特別陳列 人形紀行」のカタログの『人形紀行』で、
水戸市立博物館で1995年に、多かったからか東日本編と西日本編に分けて開催されたものでした。
このカタログは今でも領分されていたので買うと、巻頭にこのおもちゃたちを、博物館に貸し出した、片山龍男さん(明治42年生まれ)の書かれた文が載っていました。


片山龍男さんは京都で育ったお医者さんですが、当時は水戸市に住んでいらっしゃって、おもちゃコレクターでした。
学生の頃、ある日急に思い立って鞍馬山まで歩いて行ったところ社務所にいろいろな授与品(銭はちゃんととる、と書いてある)が並んでいました。その中に張子の阿吽の虎があり、それを買い求めたのが、
片山さんが信仰玩具の収集をはじめた第一歩でした。


片山さんは、転任とともにこの虎を持って四国だけでなく満洲にも行ったのですが、終戦の時に奉天(
現在の瀋陽)に残さざるを得ませんでした。戦後、片山さんの郷土玩具の収集は軌道に乗るのですが、奉天に残した虎がいつまでも心残りでした。のちに鞍馬の虎を手に入れるのですが、その時は張子ではなくて土のものになっていたそうです。

今回の展覧会は、「企画展・夏休み子どもミュージアム 郷土人形 昔のおもちゃ展覧会」と称するものだったので、郷土玩具を子どもらに理解してもらうための詳しい説明はあったのですが、このおもちゃたちがどうしてここにいるのかという説明はありませんでした。


さて、片山さんのコレクションは1万点とも言われていたそうですが、『人形紀行』には100葉の写真が掲載されていました。
上は、今戸人形の庄屋拳(狐拳ともいう)です。いまどきさんの敬愛されている
尾張屋こと、金澤春吉翁作のものでしょうか?


棚尾人形の織田信長と今川義元。
やっぱり愛知の節句人形はすごい迫力です。


ハイカラさんと兵隊子どもも愛知県のもの。この取り合わせに時代を感じます。


仙台の堤人形の猫引花魁。
キャプションを読まなかったら、猫に気づかないところでした。堤人形の芳賀家には、今もこの型があるのでしょうか?
あったらつくって頂きたくなる猫の可愛さです。



 

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