アカの上着を取り出そうと布戸棚を開いたとき、ラオスのルアンナムターの
豆敷きが目につきました。
谷由紀子さんのラオスでのプロジェクトが今はどうなっているのだろうとネットで見ると、2019年に
閉じてしまわれたことが報告されていました。
谷由紀子さんが、ルアンナムターの布と関わり始めた経緯や、素晴らしいものを何とかしてそのままの姿で残そうとする試みを語っていらっしゃる、「布のきもち。」の
2011年のインタビュー記事があります。そして、わずか5年後のインタビュー「
あれから」では、大きく変容していくルアンナムターと自分が関わっていることへの問いを口にされています。
私が豆敷きを手にしたのが2017年ですから、当時はもう谷さんにはいろいろな葛藤があり、手を引くという選択肢も浮かんでは消え、消えては浮かんでいたのかもしれません。
「本来は無償のものに、商売っ気を出してつくったものは、やっぱりかなわないんですよ」
とは、谷さんの言葉です。
ルアンナムターの人たちと真摯に向き合っていたからこそ、谷さんは撤退という決断を導き出されましたが、深く傷つかずにはできなかった決断だったと思いました。そして、あれから7年経った今では、谷さんは明るく、自分の真にやりたいと思ったことをやられているのだろうと思います。
古代から続いてきた人間の無償の手仕事は、ほぼ、地球上から消えてしまいました。
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