2016年10月15日土曜日

牛乳サンプル検査箱


松の木の箱、スウェーデンのものです。
「用」だけのためにつくられた箱なので、そっけないことこの上なしです。
この箱は、牛乳のサンプル検査箱で、十九世紀の終わりから二十世紀の初めにつくられて、使われたものです。


革の持ち手は、たぶん、箱を重ねても使えるよう、一方を固定させ、一方は細いバンドをくぐらせて、伸ばしたり、畳んだりできるようにつくってあったもののようです。ところが、革がボロボロになって、持ち手を留めていた細いバンドが切れてしまったため、今では留めてなかった方も固定して、釘が打ってあります。

 
留め金の受け金具が、左右で違っています。
どちらが元の姿でしょう?左は頭の丸いねじ釘、右は小さなヒートンです。
手間いらずにできていて、蓋を閉めるとき、閉まる直前に留め金にちょっと手を掛け、閉まったところで手を放すと、すとんと自動的に留め金がかかります。


中には仕切りがしてあって、ビンを全部で16本収めることができます。

 
持ち運ぶという用途のため、軽くしようとどの板も薄くできていますが、一世紀前の当時、どんな道具で、板を薄く削ったのでしょうか?


ビンは型に入れてつくったもので、型を取り外したときの線が、両脇に残っています。


そして、弓がたにA-B.SEPARATORと、下の方には、STOCKHOLMと陽刻があります。
スウェーデンで使われたものなのに、どうして英語で書かれているのでしょう?
  

牛乳を分離させて検査するとは、いったいどんな検査だったのか、想像もつきません。
二、三のビンは、ミルクをよく洗わなかったのか、白っぽさが残っています。

牛乳のサンプルは、この箱をいくつも積み重ねて、馬車で検査場に運ばれたのでしょうか?
一つ一つのビンに、砂や微小貝を入れたら楽しいだろうと思っていましたが、入れないままで月日が過ぎています。






2016年10月14日金曜日

アスファルト工事


昨日、アスファルト工事がはじまりました。
細々した仕事がいっぱいあるのか、職人さんたちは大勢で、親方のお父さんまで動員されて来ました。
どこもかしこもビニールとメンディングテープで養生します。左官仕事もそうですが、地道な下地づくりがもっとも大切なことだと、教えられる光景です。


アスファルトを敷く前にタールを蒔きますが、そのタールが他のものについてしまうとなかなか取れないので、水道の栓の蓋の養生もしっかりしています。
タールを蒔き終わった時点で、養生は外しました。

 
トラックに積んで来たアスファルトは、ユンボ(パワーショベル)で、ネコ(一輪車)に移し、所定の場所に運んで、トンボやスコップで広げます。


広げたアスファルトは均し、叩き、をバーナーで熱して平らにします。
ときおり、ネコの中でも熱しています。 


プレートだけでなく、手に持って使う道具も、活躍です。


落ち葉が吹きだまったりしてめちゃくちゃに汚くなっていたところも、


見違えるよう、びしっと決まりました。
擁壁の上に線状に見える、アスファルト舗装していないところは、タイルを敷いたり、雨受けに小石を並べたりするところです。
擁壁の角につけた模様も、周りがすっきりして、やっと目に入るようになりました。

さて、アスファルトとは何かなと、ネットを見ていたら、
「一般住宅でアスファルト舗装が選ばれない理由」
というのに行き当たりました。見てみると、
「機能性が高いアスファルトですが、一般住宅には選ばれない理由は単純です。デザイン性に劣っているからです」
と書いてあり、苦笑しました。


私たちは、軒下を何にするか、犬走を何にするか、土間を何にするか、タイルはどんなのにするか、外構と呼ばれる場所の材料を、家を建てはじめたときから考え続けていました。ホームセンターの材料も、あれこれ見て回ったし、他所のお宅の仕様を、立ち止まってみたりすることもありました。

もとより、バングラデシュのように、三和土(たたき)にして、いつも凸凹にならないように、草など生えないように手入れすれば最高ですが、それができるとは思えません。私の育った祖母の家をはじめとして、でこぼこしていない三和土は、日本ではほとんど見たことがありません。
色の薄い、カラフルなアスファルトも見かけました。でも、最終的にはアスファルト色のアスファルトが一番いいという結論に到達しました。

アスファルトは、原油に含まれる炭化水素類の中でもっとも重いもの、石油精製過程の副産物ではありますが、あたりがコンクリートほど硬くなくて、色は落ち着いています。
もっとも、アスファルトは、土瀝青(どれきせい)と呼ばれ、もともと自然界にもあって、太古から利用されていたそうです。









2016年10月13日木曜日

道具拝見


昨日は、中一日置いて、また砕石をトラックいっぱい持って、アスファルト屋さんが来てくれました。


砕石を入れては、ひたすら平らにします。


さて、まだアスファルト屋さんが来ない今朝、道具拝見です。
必需品のプレート、その向こうには予備の砕石を入れたネコ(一輪車)が見えます。


我が家にもありますが、ほとんど出番のない先の四角いスコップ、アスファルト屋さんはこれしか使っていません。


端っこを転圧するための、道具たちはもしかしたら手づくりでしょうか?


四角くて重そうな鉄板をとりつけたもの。


L字鋼を利用したもの。


U字鋼を利用したもの。


端太角(ばたかく)に持ち手をつけたヨイトマケも手づくりでしょう。


我が家では丸太に持ち手をつけてヨイトマケをつくりましたが、考えてみれば、端太角の方が端っこを転圧するのに適しています。


トンボは、さすがに既製品に見えます。


そして、これもアスファルト屋さんの必需品、レベルを出す水糸と、コンクリートに釘を打ち込む玄能です。  


ユンボも、昨夕持ち込まれました。
いったい今日はどんな作業が展開されるのでしょうか?






2016年10月12日水曜日

巧み、というわけではございませんが


磁器の招き猫です。
色がくすんでいます。描き方もへたくそ、でもそこはかとない愛嬌があります。


口を描くときは、ちょっと力が入り過ぎてしまったのでしょうか。
いえいえ、ただ、おざなりに描いたのでしょう。


後ろ頭の耳の下は、横に大きく切れています。
磁器色絵の招き猫で、貯金玉仕立ては珍しいものです。


その穴は、右の方に大きくずれていては、五百円玉でも入りそうな大きさです。ところが、なにせ小さい猫ですから、お金を入れたら二度と出せなくなるでしょう。それとも、一銭玉なら出せたでしょうか?
底には、小指の先も入らない小さな穴が開いているだけです。


何はともあれ、磁器招き猫を見ると幸せな気持ちになる気持ちが、まだ衰えていないようです。







2016年10月11日火曜日

アスファルト屋さん登場

「九月になったら行きます」
と、七月ごろに言っていた、アスファルトの工事屋のMさん、待てど暮らせど来ません。
九月の半ばごろに一度電話したら、
「遅れてすみません。一週間くらいしたら見に行きます」
と言ってからも、二、三週間経ってしまいました。
どうしたのかなぁ、と思いつつも、材木を片づけたり、集塵機につなげた塩ビ管を埋めたりと、やることはいくらでもあるので、そのまま日が過ぎていました。

一昨日の日曜日、夫がSさんに、
「いい、アスファルト工事屋さんを知りませんか?」
と訊いたので、びっくりしました。夫は私には何も言わなかったけれど、Mさんのことはもうあきらめていたようでした。
「近々、役所に行って、八郷に住むアスファルト屋さんを紹介してもらおうとは思っているんだけれど」
とまで言っています。
私は、作業棟の下屋の屋根の下がぴしっと決まっていないことでは内心いらいらしていましたが、夫は何も言わないので、てっきり待っているのだと思っていました。まさか、そこまで考えていたとは...。

さて、昨日は体育の日、休日でした。
朝七時ごろ、アスファルトの工事屋のMさんから電話がありました。
「Mさんが、八時過ぎに来るって。手間を三人確保したって」
「あら、そう」
てっきり下見に来るのかと思っていたら、道具を乗せたトラック、砕石を満載したトラックが仰々しくやってきました。
わぁ、びっくり。
手間三人確保とは、どうやら休日でも働く人を見つけたということのようでした。Mさんも、小さな仕事だからと、我が家の仕事を軽視したわけではなく、長引く雨などで仕事が押せ押せになり、遅れてしまったことを気にしていたのでしょう。

そして、前日の夫の言葉が、風に乗って届いたに違いありません。


まず、測量し、水糸を張って高さを出し、水糸に沿って細かい砕石を入れては、プレートで均します。
 

凸凹していた軒下が、アスファルトを敷く前から、ぴしっと締まりました。
砕石が足りず、白く見えているところはまだ下地が終わっていません。


それにしても、トラックいっぱいあった砕石が、のぞいてみるとひとかけらもなくきれいになくなっていました。全部人力で動かしたのです。
足場屋さんといい、瓦屋さん、大工さん、そしてアスファルト屋さん、誰もが力持ちなのにびっくりしてしまいます。
 

この枠の中はお願いしていません。
「どうしてアスファルトにしないの?」
夫に訊くと、タイルを張る予定だそうです。しかも斜めに。
「私は張らないわよ。自分でやって」
タイル張りも私の嫌いな仕事の一つです。しかもそのままではなく、カッターで半分に切りながら敷くなんて、まっぴらごめんです。
今日は、アスファルト屋さんは別の仕事があってお休み、今からならここもアスファルトにしてもらうことが可能です。
今日一日説得してみるつもりだけど、うんと言わないだろうな。我が家のタイル張りのところは、これまでことごとく中途半端になっています。


苔が生えたり、草が生えたり、ひどいところは土に埋もれてしまったり。
もっとも、ただ管理が悪いだけのことですが。






2016年10月10日月曜日

修理の仕方

じめじめと湿気る季節には、よく乾かしてしまったつもりでも、引き出しの中の木の杓子やすりこ木にカビが生えることがあります。


密閉してなくても、アフリカの木彫りには、白いカビが生えるものがあります。
しかも何年も、何十年も、湿気の季節を迎えるたびに、カビが生え続けるものも、よくあります。
そんなときは洗って、よく拭いて、乾かします。


ここに来てから、エチオピアのコーヒーテーブルが欲しくて、アフリカのものを売っているお店に問い合わせたことがありました。
その昔、訪ねるのが大好きだったお店で、ネットにホームページは持っていますが、ネット販売はしていません。メールで問い合わせたら、三つばかり在庫があると、写真を送ってくれました。

一枚の写真に三つ一緒に写ったコーヒーテーブルの中から選んだのは、脚ががたつかないと説明されていたものでした。コーヒーテーブルは、一本の木から彫りだして薄く仕上げてあり、脚は四本なので、長く使っているうちに、ほとんどは面がねじれて、激しくがたつきます。


届いてみたら、なぁんだ、四本足のうち二本を新しく切ってあって、足の裏が真っ白なものでした。
がたつく脚を切るのだったら、いつでも自分でできます。「がたつかない」ではなく、「足が切ってある」と説明して欲しかったと、ちょっとがっかりしたものでした。

しばらくしたら、このコーヒーテーブルにも盛大にカビが生えました。
ごしごし洗って、拭くと、表面の塗装が剥げたのか艶がなくなり、色合いがすっかり違ってしまいました。しかも色がまだらになっています。


よく見たら、縁が欠けていて、巧妙に修理した跡がありました。


私は、完品より修理したものの方が好きなくらいです。
でも、修理したことを隠す修理は不快です。長い間親しんできたあのお店の騙されたと、すごく悔しい気持ちがしました。
 

さて、今年もカビの生える季節が来て、くだんのコーヒーテーブルにもカビが生えました。
洗って、拭いて、まだらの修理跡を眺めます。
それにしても、色と材質に目をつぶれば、よく修理できています。カビが生えなくて、石鹸をつけてごしごし洗わなかったら、いつまでも気がつかなかったことでしょう。
エチオピアの人がこんな修理をするはずはありません。傷をわからないように修理する伝統があるというヨーロッパで修理されたものでしょうか?


これは別の、エチオピアのボウルの修理跡です。
欠けた破片をつなぎ合わせていますが、修理したとわかる修理で、それは全然気になりません。


むしろ、景色として、楽しむこともできます。


そんなコーヒーテーブルですが、時間が経ったからか、私の腹立ちが収まってきました。
比較の問題ですが、欠けたままになっているよりずっとましです。
 

色も、艶々光らず、褪せたような色でまだらのまま、楽しめるようになりました。


上は使い込まれていないエチオピアのボウル、下はよく使い込まれたものです。
使い込まれなかったものは、色も褪せず、縁も角張ったまま、カビも生えませんが、それはそれでちょっと面白みに欠けます。


そんな、面白みの欠けるものは、うちで、裏の模様がすり減るまで使い込みたいと思っていますが、なかなか、ただ使っているだけですり減らすのは、たいへんです。
それだけ長く使われてきたものだと思うと、いとおしさも増します。









2016年10月9日日曜日

やられた!


数日前、道路から、我が家の隣りのくみさんの家に向けて、急斜面に、新しいイノシシ道ができていました。
「あちゃぁ」
いくら我が家の周りを、篠竹をすべて切り払ってきれいにしても、これでは谷戸を越えて、向こうの山からイノシシがやってくるので防ぎようがありません。山全部をきれいにする?不可能です。
家族で来るのか、我が家には毎日のように現れています。


この斜面、草を刈ったあと、ほとんど全域にわたってイノシシに掘り起こされてしまいました。
根づいて、大きく育ったのでもう関心はないだろうと囲いを外した被爆エノキは、跡形もなく消えていました。
誰か、捕らえられたイノシシの断末魔の声を収録したCDを持っていないかなぁ。その声を一晩中流して、もう来なくしてやりたい気持ちでいっぱいです。