月に一度、みわさんの豚肉を買っています。
毎回、ひき肉が1包み、塊肉が2包みで、今月の塊肉はロースとバラ肉でした。有機飼料で丹精込めて育てた豚は何が違うか? おいしさが違うのですが、とくに脂身のおいしさがまったく違います。
昨日肉を買いに行くと、みわ夫人に、
「時間がある?」
と、たずねられました。
「はい、あるけど」
「ちょっとお雛さまを見て行って!」
みわ夫人のお母上は茨城県の美浦の方に住んでいらっしゃいます。昨年も2日ほど、蓮の果托など自然素材を使ってつくった人形の展示会を美浦でなさったのですが、ちょっと遠いし、週末だったので先約が入っていたことなどから、拝見しに行くことはできませんでした。
そんな人が私だけではなかったのか、八郷の人にも見て欲しいと、今年はみわさんの家にお雛さまを飾ってありました。
お雛さまは何組もありました。
習っていた時につくった人形 |
お母上はかつて自然素材を使った人形づくりを学ばれ、その技を生かしてお雛さまがつくれないかと、お雛さまづくりは独自にはじめられたのだそうです。
身体はどれも蓮の果托でできています。五人囃子の被りものは葱の葉先だとか、顔や髪の毛はトウモロコシの皮、着物は押し花にしたアジサイやシダなどを薄い和紙に貼ったもの、袖裏の赤いところは、赤葱を乾燥させたものを貼っています。
ペタッと広がったような形のお内裏さまの蓮の果托の直径はとても大きかったので、底を見せていただきました。蓮の果托を広げて、隙間にヒノキの実などを詰めてありました。
草や野菜の種、茎をスライスしたものなどをちりばめた五人囃子の豪華な衣装も、写真に撮らせてもらったのに残念ながらピンボケだったので、右端にちょっとだけ写っている写真を載せてみました。
これは別の段飾りの立ち雛のお内裏さま、身体は蓮の果托を重ねてつくってあります。
着物はカラムシの葉を貼ってつくってあり、男雛の袖下には山芋の花殻を連ねています。
三人官女のカラムシの葉の着物の美しいこと!
三人官女の底はこんな風になっていて、袴はトウモロコシの皮です。
この雛壇は広縁を背にしていて、逆光で光の当たり方がまばらだったので、全体の写真は撮れませんでした。
小さい段飾りです。雛壇などの小道具は、亡くなられたお父上がつくられたそうです。
そして、右近の橘や左近の桜は蚕の繭細工です。
桃や菜の花、つるし雛も繭細工で、すべてお手製です。
小さなお雛さまは、蓮の果托を逆さに置いて茎をそのまま顔に見立てています。花の台として、コーヒー用クリームを入れたプラスティック容器が、開けるために突き出たところもそのままに、伏せて使っているのが、おかしいところです。
こちらのお雛さまも、蓮の果托の茎をお顔にしたもの、男雛と女雛で果托の形を見事に使い分けています。
つるし雛ですが、全部蓮の果托でできていて、笹の葉はつくりものです。
おやっ、真ん中に下げてあるのはモミジバフウの実です。
ちりめんが詰まった玉は、モミジバフウの棘をむしり取って、穴にちりめんを詰めたものだとか。
毎日、何を見ても人形づくりの材料として使えるかどうか考えているに違いない、楽しい生活が垣間見えるお雛さまたちでした。
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