2018年4月13日金曜日

『道具の謎とき』の謎とき編


『道具の謎解き』の謎とき編です。


1、ゼンマイ式蠅取り器
ゼンマイで皿がゆっくり回り、とまった蠅が隙間に挟まれて、出られなくなります。


もう一つ、こんな写真も載っていました。
こちらは、右上の部分が回転します。


5、足炙り
椅子に座るとき、この中に灰を敷き、その上に炭や炭団を置いて足元の暖房にしました。
 

8、蘭引(らんびき)
薬や酒を蒸留するための器具。
下の容器に蒸留する液体を入れて火にかけ、発生した蒸気を上の容器で冷却して、蒸留物を横の注ぎ口から出す仕組み。江戸時代の科学者が実験用につくったものですが、大名や豪商の遊び道具としても使われました。


9、湯たんぽ
ヨーロッパでは15世紀くらいから使われました。これは日本のものですが、イギリスの湯たんぽも同じ形をしています。

10、鶏の水飲み
パスカルの原理で、水をたっぷり入れておいても、飲む分だけが小さな穴に出てきて、こぼれない優れもの。

鶏の水飲みは、今でも、小鳥用などとして売られています。

ブログ、「はたぶろ」より

同じ原理のプラスティック製もできていて、分解して中まできれいに洗えるので、便利だそうです。半透明で、水の量もチェックできます。

ブログ、「はたぶろ」より

乾いた餌用のものもあります。


18、井戸さらい
井戸に何か落としたとき、これで掴んで取り出したのだそうです。


19、海藻採集漁具
これに長い木を柄をつけて、船の上からくるくる回して海藻を採りました。
上は、ワカメ用、下はエゴノリ用。
 

28、コンビーフ用の缶切り
1810年代に登場した初期の缶詰はイギリス海軍用につくられた牛肉の缶詰で、当時はノミとハンマーで開けていました。
缶切りが考案されたのは60年ほどのちの、1875年のこと、コンビーフ=牛肉から雄牛の頭の形につくられ、20世紀まで続きました。

これ、欲しいなぁ。


30、芝生用スプリンクラー
プロペラのちょっとした角度で、水の勢いで廻り続けました。


33、洗濯ばさみ
34、ダーナー

ダーナーとは靴下のかがり器(つくろい器)のこと、私も、キノコ形のものを持っています。
 

36、内視鏡
ガラス管を電極につないで使うのだそうです。

こんなもの、内視鏡と言われても、どうやって使ったのか、想像もつきません。


37、指輪のディスプレイ用具

手袋をはめて使ったんだろうとのこと、なかなか素敵です。


51、インジェラ用テーブル
52、コーヒー濾し器

インジェラとは、世界一粒が小さい穀物と言われているテフの粉を水で溶いて、発酵させて焼いたクレープのようなものです。その上にソースを乗せ、ちぎって食べます。
草で編んだテーブルは実際に見たことがあるので知っていましたが、エチオピアではコーヒーは濾さずに、トックリ型のポットで沸かした上澄みを飲んだことしかなかったので、濾し器が存在するとは知りませんでした。
インジェラ用テーブルは、高さ82センチ、直径1メートルもある、大きなものです。
エチオピアは、コーヒーの原産地ですが、塩を入れて飲むこともあります。

53、携帯用火鉢
どこの部屋にも簡単に持って行けました。


55、ココヤシの実削り
台に腰掛けて、半分に割ったココヤシを刃にあてがい、固い殻についた果肉を削ります。

私が持っているココヤシ削りの刃は鉄ですが、ミクロネシアでは貝が使われているのが、興味深いです。


57、穂摘み鎌
掌に収めて、稲の穂先だけを刈ります。野生に近いイネの場合、生育にばらつきがあるので、熟した穂だけ刈り取るのに、穂刈り鎌が使われました。

見たこともない形ですが、穂刈り鎌とわかりました。
穂だけ刈ると取っておくのに便利なこと、また、藁を田や畑に残して家畜の飼料とするために穂だけを刈り取るのだと思っていましたが、成熟度が違う稲の中で熟したものから刈るのに都合がいいことは、初めて知りました。


66、卵茹で器

卵に卵の形をひっかけた卵茹で器は、今でもありそうな気がします。
我が家の、カフェラテをつくるポットは、白に黒の牛模様になっています。

☆☆☆☆☆

昭ちゃんは、1番ゼンマイ式蠅取り器を、昭和30年代まで筑豊で実際に使っていらっしゃったそうです。
ほかに、8番蘭引、9番湯たんぽもご存知でした。

かねぽんさんは、19番海藻採集漁具、28番コンビーフ用の缶切り、33番洗濯ばさみ、55番ココヤシの実削り、57番穂摘み鎌を当てられました。
穂摘み鎌は、なかなか当てられないものだと思いましたが.....。






10 件のコメント:

かねぽん さんのコメント...

穂摘み鎌は、弥生時代の遺跡から似たような物が出土しています。穴が二つ空いた半月形の石器で「石包丁」と呼ばれています。何故か弥生時代の終わりに姿を消しました。

昭ちゃん さんのコメント...

 春姐さん解説有難う納得です。
横レスごめんなさい
かねぽんさんが先に書かれていますが
石包丁が元祖で穂だけ摘むのですからね。
もう鉄器に移動したのでしょーか。

昭ちゃん さんのコメント...

陶製湯たんぽはぼろ布を巻いて足元に
入れてくれますが寝相が悪いのでやけどもしました。
朝の顔洗いはぬるいので冬は快適です。

さんのコメント...

かねぽんさん
そうゆうことだったのですね。
考古学に疎いので、まったく知りませんでしたが、ネットで見てみました。ちらっと見ただけで推測するので間違っているかもしれませんが、あの石器の二つの穴は、「アニアニ」のように、直角に添える枝などに紐で留めたものでしょうか?
とっても高い本なので買って読むわけにいきませんが、『アジアにおける石製農具の使用痕研究』(https://books.rakuten.co.jp/rb/15177056/)という本の表紙の写真が、「アニアニ」にそっくりでした。

さんのコメント...

昭ちゃん
現代のもので、石のものは見たことがありません。
ココナツ削りのところに書きましたが、貝の刃というのも魅力的、見たことはありませんが。

鉄の融点は高いけれど、鍛冶屋さんは、どんな社会にもいますよ。鉄が溶かせない場合でも、熱して打つだけでもいろいろつくれます。鉄筋利用の鎌とか、太い釘利用のナイフとかあります。それに、カンボジアのように、鎌はそこそこ切れればいい、しかし、鎌の柄の装飾はしっかり施すという社会もあります(笑)。

私が子供のころは、ブリキの湯たんぽを使いましたが、こたつは素焼きの蓋物に灰と炭を入れたのを使っていたことがあります。大人は、そんなものを子どもの足元に置くのが不安だったのか、遠く離して置くのですが、お布団にもぐって足で触りに行きました。布で包んでありましたが、熱かったです(^^♪

かねぽん さんのコメント...

アニアニというのがどんな物か知らなかったので検索してみたら、春さんの10年前の記事にたどり着いてやっと分かりました。石包丁は二つの孔に紐を通して輪にし、そこにくぐらせた手で直接石器を掴んで使用したようです。と言っても実際に使っているのを見た人はもういないでしょうから、本当かどうかは分かりませんが。

かねぽん さんのコメント...

10年前じゃなくて8年前ですね。

さんのコメント...

かねぽんさん
今日のブログで、赤い字になっているところ(アニアニの場合は穂刈り鎌)をクリックしたら、アニアニに飛び、戻るをクリックしたら今日の記事に戻ります。
石包丁は紐を手に通したにせよ、本の表紙の絵のように棒を直角にくくりつけたにせよ、長時間使うときは、そのまま掴むより手が疲れなかったことと思われます。
日本も弥生時代は穂刈りをしていたとしたら、漁が少ないので運ぶのは簡単だったことでしょうが、だとすると、稲わらの利用は後世より少なかったでしょう。だんだん、縄を綯うとか、蓆をつくるとか、稲わらの需要が高くなって、根元の方から刈るようになったのかもしれませんね。
ちなみに、カンボジアでは刈った稲束は、オウギヤシの葉柄を割いたもので束ねていました。だから、稲わらは牛に喰わせても一向にかまいませんでした。

かねぽん さんのコメント...

わざわざ検索する必要は無かったんですね。それにしても凄い記憶力です。僕の場合、物の名前を覚えておくのが苦手で、1年会ってないだけで人の名前が出てこない事がよくあります。顔は覚えているんですがね。

さんのコメント...

かねぽんさん
記憶力じゃないです。自分で検索しました(笑)。「八郷の日々、穂刈り鎌」とか入れると、コンピュータが探してくれます。知らなかったころは、カテゴリーで、新しいのからずーっと見て見つけていました。

私は名前だけでなく顔もダメです。「あのとき、あそこでお会いした○○です」と言われてもさっぱり思い出さないこともよくあって、嫌な思いをしたりさせたりします。
その昔、一度見かけた人の顔とフルネームを覚えるのが得意な同僚がいて、ほんと、うらやましかったです。「失礼ですが、2年前に空港でお会いした加藤○○さんじゃないですか?」といった具合です。信じられません!