昨日、M+MのMちゃんと、F.Yさんと私たち夫婦で、八郷からそう遠くないところにあるソーラーシェアリングの畑を見に行きました。
耕作放棄地が、ひところよりゆっくりではありますが売られて、整地しているなと見ているとソーラーパネルが設置される状況は続いています。我が家にも、農家と間違えて、「土地を売らないか」と電話がかかってきたことがありましたが、人手不足や高齢化で耕作できなくなった土地を、小さな会社が買い取って、ソーラーパネルを設置したらすぐに、大きな企業に転売するようです。
すると、大きな企業は、
「我が社は再生可能な電力を100%使って操業しています」
と宣伝でき、SDGSを考えている立派な企業と世間から認識されるという仕組みです。
ソーラーパネルを設置した土地が増えると、農村の景観が損なわれること甚だしい、不快な気持ちしか抱けないというのも残念なことです。というわけで、上にソーラーパネルを設置して、その下で農業をやるというソーラーシェアリングを見に行ったのです。
よく通る道のわきの畑なので知っていたのですが、車を停めて見たのは初めてでした。
Mちゃんは、これだけの設備をするならもっと生産性の高い作物をつくったらいいのにと言います。お米とか野菜とか。
でも人手が足りなくなった農家で手のかかる作物をつくるのは難しいし、お米をつくったりすれば機械を入れることができない、私は栗はいい選択ではないかと思いました。
ほかの果物と違って、栗は収穫時には毎朝落ちたものを拾うので、熟れ具合を見て一つ一つもいで収穫する必要がありません。
放っておいても木はそう大きくならないし(矮性種だから)、栗は虫がついて枯れやすいのですが成長が早いので、次々と植え替えればいいので、かなりソーラーシェアリングに向いていると思いました。
ただこれは、栗の生産が日本一の笠間市で、生産農家が多く、組合がしっかりしていることが背景にあるのでしょう。
栗を植えると補助金が出るので八郷でも栗を植えている畑をよく見ますが、生産組合もないので、育てる気はない植え方です。
梨、ブドウ、ミカン、柿など、その土地に新しい果物を植えるには、それなりの体制が必要です。
ソーラーシェアリングの畑の栗はよく拾い集められていましたが、それでも落ちたばかりのイガの中には、立派な栗が入っていました。
茨城県笠間市、とくに旧岩間地区は日本一の栗の産地です。栗のお菓子や栗きんとんで有名な長野県小布施市も、岩間から栗を買っています。小布施は風情のある町で、栗のお菓子屋さんや栗きんとん屋さんが建ち並び、栗製品を取り寄せるだけでなく行ってみたくなるところですが、岩間にはそんな場所はなくて、栗のお菓子をつくるお店も、いくつもあるのですが、点在しています。
まぁ、観光客が来なくてもやっていけている、それが茨城県の最大にいいところなのですが。
4 件のコメント:
このソーラーパネルで作られた電気を栗の栽培に活用するのですか?それとも全然関係ないのでしょうか。
茨城は栗とかサツマイモとかメロンとか、いろいろ有名な農作物がありますよね!本当は豊かな土地だということを秘密にしておいた方がいいんじゃないでしょうか(笑)。観光客が押し寄せると面倒なだけです。
hiyocoさん
ソーラーパネルでつくられた電気は一般のソーラーパネルと同じで、東電に売るのだと思います。
畑に設置する利点は、土地を立体的に使うこと、土地の有効利用としては優れているとされています。もっとも、かつての日本のように土地が足りないわけではなく、耕作放棄地がいっぱいあるので考えにくいかもしれませんが、地球規模で考えれば、有効利用できる土地は有効利用した方がいいということになります。
そして、もともとは日本の畑には日陰は邪魔でしたが、こう熱帯的な気候になると、日陰があった方が野菜もホッとできるということに、なってしまうのかもしれませんね。
確かに、茨城の魅力は伏せておいた方がいいと思います。「魅力ある県ランキングは?」、と訊かれてパッと思い浮かぶような県になるってことは、今は地元民が享受している茨城の魅力を一見さんに切り売りするってことですから(笑)。
昨日の朝日新聞の朝刊に、「ロボット稲作省力化」と言うタイトルの記事が載っていました。
ロボットメーカの取り組みで、「ドローンで水田に種もみをじかにまき、人が見回るのではなく、遠隔操作によって水田の状態を管理。さらにアイガモによらずに、雑草を防ぐロボ「雷鳥1号を投入した」との事。稲刈り用の「雷鳥2号」は間に合わなかったので、人力で稲刈りをしたものの、529時間かかった労働時間は29時間で済んだそうです。
これからの時代、ソーラーパネルの下で、ロボットの雷鳥たちが動き回る田園風景になるのでしょうか。
reiさん
わぉ、そんなことができるのですか。
私はここにきて10年稲を育てましたが、一番大変なのが水管理でした。
借りた田んぼは、その前の10年ほど耕作放棄地だったので、いろいろな生物が住み着き、モグラが穴をあける、カニが穴を開ける、いったん水道ができると穴はどんどん広がっていくで、朝晩見回っても、朝にはふさがっていたところから、水がどっとと流れていました。まぁ、これは畔をコンクリートで固めることで解決しそうですね(底からも流れ出るけど)。
また、低い山からの水は日照りの年は取り合いで、用水路の水は上で取られたら全く足りず、谷川の水も田んぼに入れても入れても穴からこぼれ出てしまう、これも大変でした。谷津でないところは水道水が各田んぼに引かれていて、これで調節するのですが、ぬるくておいしくないお米ができます。
ところで田んぼを返して、今ではその田んぼは水稲組合が管理していますが、問題なさそうです。どうなっているのかしら?いわゆる慣行農業では、どの田んぼも、ロボットを使っても一律同じにできるのかもしれません。
なんでもドローン、なんでもロボットの時代は来るかもしれないけれど、ついて行けるのは個人ではなく企業、年寄ではなく若い人だろうから、農民はいなくなり、自然を知る人はいなくなりますね。
その前に、お米を食べる人がいなくなったりして(笑)。
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