2026年4月5日日曜日

新しいくず籠

東京郊外で住んでいた家は、コンクリート打ちっぱなしでした。
断熱材のまったく入っていないコンクリートの家は、雨漏りはするし、結露はするし、冬は寒くて、住むのにかなりの根性が要る家でした。当時はコンクリート打ちっぱなしならそれが当然、公共施設も雨漏りで悩んでいたし、つくばで住んだ公務員宿舎も似たり寄ったりでした。
といっても、半地下や中二階、屋上や渡り廊下のある楽しいつくりで、息子たちや友だちにとっては遊園地のようだったのではないかしら。


その、床も壁も硬い家で使っていたくず入れは、合板の筒形のものでした。蓋つきと蓋なしのものをいくつか使っていて、コンクリート打ちっぱなしにはよく似合っていました。
合板のくず入れは、のちに住んだつくばでも活躍しましたが、引っ越しや留守を重ねているうちに傷つき、八郷に来た時にきれいな姿をとどめていたのはたった1つのみ、それをずっと居間で使ってきました。
しかし、木の家にはモダンなくず入れはあまり似合わないもの、居間以外の食堂、書斎、寝室、階段室などでは、もっと素朴な、ラオスの籠カンボジアの籠サラワクの籠などをくず入れとして使っています。

しばらく前に、連続テレビ小説の「ばけばけ」(だったか?)で、私の祖母が鏡台の横に置いて使っていた、竹で編んだ四角いくず入れとそっくりのくず籠をちらっと観ました。見たとたん、忘れ果てていたそのくず籠が、記憶の奥底からよみがえってきて、懐かしさでいっぱいになりました。それは、私が子どものころでさえ古めかしく感じていたものでした。
「そうだ、傷んできた合板のくず入れを、そろそろやめて籠にしよう!」
夫はみかんの中袋や、べたべたしたアイスクリームの包み紙などを、台所のごみ箱まで持って行くのを面倒がって、手近なくず入れに捨てたりするので、それに耐える籠を見つけなくてはなりません。


そして今、暫定的に中国の柳の籠を使っています。
頑丈にできているし、いざとなったらごしごしと洗えるので安心です。


もう一つ、くず籠候補があります。
その昔、中学生になって、日本で学んだ方がいいかと、タイから一足先に単身帰国して寮生となった長男に持たせたくず籠です。


油性ペンで息子の名前の書いてあるこの籠は、寮の部屋で使うからと小ぶりです。


よく見ると細かい仕事の籠です。
毎年バンコクでは、刑務所で更生のために受刑者に指導してつくられた工芸品の展示即売会がありました。
質の高い籠が並んでいて、今でも我が家の籠たちで、その展示会からやってきたものがたくさんあります。残念ながら、形はよくても防虫のためか、てっかてかにニスを塗り過ぎたものが多くて、これもちょっとニス多めです。






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