2012年6月16日土曜日

キューピー今昔

しばらく前のことです。
骨董市でがんこさんの大きな声が響いている方を見ると、人だかりができていました。
なんだろうとのぞいてみると、でんでん太鼓を背負った、人さし指ほどの大きさのかわいい這う子人形を数人が見ていて、がんこさんが、元気にうんちくを傾けていました。
「かわいい這う子!」


ふとそのわきを見ると、小さな汚れた人形が座っています。手にとって見ると、顔はキューピーのようです。


おやおや、こちらもかわいいこと。
右腕が壊れてなおした跡がありますが、つるつるすべすべして、絹の帯を締め、立派な耳をしています。

うんちくの合間を見つけて、キューピーの値段を聞くと、がんこさんが這う子人形の話をやめて、キューピーの話をしてくれました。西洋のものであるキューピーを、日本人形にしているのは、珍しいという話でした。
這う子を見ていた人たちの視線が一斉にキューピーに集中しました。
「あらぁ、キューピーがいたんだ」
「見えなかったわ」
そう、小さくて薄汚れていましたからね。


がんこさんはいつも優しいお値段。たくさんの目にうらやましそうに見つめられるなか、お持ち帰りです。
もし、「何かな?」とのぞかなかったら、私も見逃していたでしょう。だって、その前にがんこさんの店は一通り見ていたのですから。


手づくりのキューピーと打って変わった、フィギュアのキューピーです。
同じ型で、大量生産のものはおもしろみがないと言われているけれど、よくできていること。
新しいキューピーも捨てたものではありません。


足の裏に、DREAMS 2005と刻印されている、中国製です。


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