あの、古賀人形の猿たちを手に入れたとき、
ヤフーオークションで、馬乗り猿とセットになっていた、伏見人形の狐の馬乗りです。
日本の土人形のほとんどは、伏見人形の影響を受けています。伏見人形は、日本の土人形の原型のようなものです。
だけど、手の込んだ型と、描き込んだ彩色で、素朴な味に欠けるような気がして、個人的には伏見人形はそんなに好きではありません。
といっても、この狐は、色合いが嫌いではありません。
さて、我が家には、何度も地震に遭ってぼろぼろだけれど、愛着のある、
狐乗り馬がいます。今はもう廃絶になっている名古屋土人形、野田末吉さんの作です。
名古屋の狐は裃姿の男狐でしたが、伏見の狐は振袖を着た女狐です。
となるとぴったり、二つ並べると、まるで狐の嫁入りのようじゃないですか。まさか、七五三のお母さんと坊やには見えませんよね。
倉敷の祖母を訪ねた道すがら、寄ってみた野田さんの家では、末吉さんが病の床につかれていました。そして、その後回復なさることもありませんでした。
「全部予約のもので、ごめんなさい。遠くから来たんだから見るだけ見て」
と言われて見せていただいた、お座敷の棚に並んだおびただしい数の、小さくてかわいい人形たち。帰ろうとしたら、
「これだったら、数があるから大丈夫。持ってって」
と、夫人から渡された狐乗り馬。
郷土玩具も、古いもの、希少なものというより、思い出が詰まっているものが、私は好きです。
だったら、ヤフーオークションなんて、やってんじゃないよね。
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