2015年6月23日火曜日

雪印北海道バターの缶


骨董市の、おもちゃ骨董屋のさわださんの店先でのこと、
「あれぇ、こんなものまで売ってる」
「300円、バター飴の缶ね」
いつも値段連呼がくせになっているさわださん、常連さんと話し込んでいたのですが、すかさず答えます。
「違うよ、さわださん。これはただのバターの缶よ」

贈答品?
それとも父の北海道出張のお土産の一つ?
それとも普通に売っていた?

私の育った家では、よくこのバターを使っていました。

 
缶詰めのように、中蓋で密閉してあるのを、缶切りでぎこぎこ開けて食べるバターです。
薄っぺらい、使い捨ての缶なのに、よくつぶれもせず残っていたものです。


この缶を見ていたら、すっかり忘れ果てていた、あの登校前のあわただしさを思い出してしまいました。眠いのにやっと起きて、ばたばたと支度して、時計を見ながら朝ごはんを食べて、家を出て、満員電車に乗る。そんな毎日のことを。

また、高校時代、毎日のように遅刻して来て、そうっと教室の後ろのドアを開けて、照れくさそうに抜き足で入って来ていた友だちの顔も思い出しました。
「どうして毎日遅刻するの?」
ある日、そんな話になったことがありました。
「起きて、いろんなことするとき、制服だといやなの。だから、着替えしていたら遅くなっちゃって」
質問した私たちは唖然としたことでした。
起きてすぐ制服を着ていたら、三年間遅刻しないですんだのに.....。

バター缶を見たら、昔の生活が思い出されるなんて。
買ってしまいました。
卓上クズ入れにでもします。








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