2017年12月5日火曜日

参観日

東京新聞には、月一回、『暮らすめいと』という付録の新聞がついてきます。その中に、「昭和の風景」という連載コラムがあり、一枚だけ昭和の風景を切り撮った写真が載っています。
今月は、「お母さんの給食参観日」の写真でした。昭和32年(1957)年の東京下町の小学校の写真だそうです。


木の机には驚きませんでした。アルマイトの食器にも驚かないし、コッペパンにも驚かなかったのですが、驚いたのは、お母さんたちの着物姿でした。
そうそう、入学式などの母親の「よそゆき」は着物に羽織姿でしたが、参観日もそうだったのかなぁ、私の母はどうだったのでしょう?
私が小さいころ、町を歩くと、母親世代は着物と洋服が入り混じっていても、洋服姿のお年寄りなどいなかったことを、今ではすっかり忘れてしまっています。

お母さんの足元には、草履が見えます。まさか、下履きのままで入って来たのではないでしょう。上履き用の草履も用意してきたのでしょうか?
学校の床は、拭いても拭いても砂っぽかったけれど、上履きを使用していたはずです。
そういえば、下履きを入れる場所は「下駄箱」、上履き入れは「草履袋」と言っていました。「筆箱」も筆を入れないのに、当たり前に使っていました。

参観日といえば、父兄参観日にはなぜか、必ず継ぎの当たった背広を着てくる中学三年生の時の担任の先生を思い出します。たいしたお年寄りだと思っていましたが、そのとき29歳でした。
その先生は今でいう「鉄ちゃん」でした。私が夏休みに祖母のいる岡山に行くと知ると、下津井電鉄を見に行くから、茶屋町駅で会おうという約束をしました。
私は鉄道にはまったく関心もないし、知りもしませんでしたが、先生は、太い鎖で連結してある列車を見て、大喜びしていました。 それを見に行ったのでした。
 




6 件のコメント:

昭ちゃん さんのコメント...

 春姐さん全くその通りで
家では割烹着ですね。
私の時代では車内で子供が泣けば授乳するしそう言うことが
当たり前の時代でしたからね。

hiyoco さんのコメント...

着物にも驚きですが、みんなおばあちゃんに見えるのは錯覚でしょうか?それともほんとにおばあちゃんが来ているのかな?
私はジーンスなど普段着で参観に行きますが、大分出身の40後半の友達は「ジーンズなどあり得ない。親は着物を着て見に来ていたので、私もそれなりの格好で行く」と言っていました。
息子の幼稚園の中で海側の学校に進学するのはうちだけだったので、ママ友たちに「授業参観にウェットスーツで来るらしいじゃん」と言われていましたが、実際にはさすがにそんな人はいませんでした(笑)。ただファッションタトゥー入れているお母さんがボチボチいるのがびっくりです。

さんのコメント...

昭ちゃん
父が、例えば「子どものころ10銭だったお饅頭が、今は10円もする」というような話をすると、私にはまったく関係ない、歴史上の話だとしか思えませんでした。
ところが、父の子どものころから私が子どもの頃までの変化に比べて、今の変化の方が、比べものにならないほど激しいです。父が自転車で饅頭を買いに行った道は、私が子どもの頃も舗装されていませんでしたから。
だから、若い人たちにはこんな話、つながってはいない、わけのわからない話にしか写りようがないですね。
確か、私が中学に入学してお裁縫で最初に縫ったのは割烹着でした(笑)。嘘みたいですね(爆)。

さんのコメント...

hiyocoさん
彼女たちはみんな、おばあちゃんでなくてお母さんで、しかも二十代から三十代の人ばかりだと思いますよ(笑)。当時、大人は大人でした!
私が若いころ、ジーンズをはいた人はホテルに入れないというので、ニュースになったことがありました。テレビのドラマでは、戦後すぐからパンツの人が出てきますがありえませんでしたね。ドラマで、往診に行く看護婦さんがパンツ姿でびっくりしたことがありますが、看護婦さんは白いスカートに白いストッキング、頭には帽子のような特別の白いものを被っていると決まっていました。いろんなことが決まっていました(笑)。
ピクニックも、日帰り程度なら山登りもスカートでした。そのうち、ウエットスーツで授業参観も、あるでしょうか?
息子が保育園のとき、遠足で富士急ハイランドに行ったのですが、どこでも列に、顔見知りを見つけては横入りして、その娘から「お母さん、後ろに並ぼうよ」と袖を引っ張られ、「うるさいね、この子は」と子供を叱っているお母さんがいました。
夜の商売(これも死語かな?)をしているお母さんで、大きな声で、「どこでも食べるものが買える時代に、お弁当をつくるなんてばかみたい」と言っているのが耳に入ったので見ると、手ぶらでした(笑)。あのころから、変種のお母さんの方が増えたかもしれません。

karat さんのコメント...

お母さん方の着物姿にはもちろん驚きました。私の小学校時代とちょっとしかずれてない時ですが、東京下町と世田谷の田舎では違ったのかもしれませんね。周りは畑でしたから。それでも母もスーツか何かで来てました。
それより写真をよく見ると、その日は子供も多分「よそゆき」ですね(^^)。私の時代も小学校の終業式、始業式にはなぜか「よそゆき」を着せられて登校して、と言って全員が「よそゆき」なわけでもなく、なんだか恥ずかしくて嫌だった覚えがあります。今はいつでもラフな格好ですね。

さんのコメント...

karatさん
私の上の妹は、この3年後くらいに小学校に入学していますが、入学式はともかく、参観日に母の着物姿はなかったと思います。場所は品川あたりです。
もっとも、私の母はお化粧もしない人で、パーマもいい加減、小さいころはもっとお化粧してきれいにして出かけて欲しいと思っていましたが、幸か不幸か、三姉妹とも若いころからいまだにすっぴんです。お化粧の仕方を学習しようがなかったのだと思います(笑)。普段、自分の顔は見えないので気にしていませんが、写真など撮ると違いが出ます(爆)。
この写真の解説に、男の子たちは散髪してきたのだろうと書いてありましたが、服装も完全なよそゆきでしょうね。私が小学生の頃は、田舎でしたが男子は面倒でないからか、たいてい学生服(お兄ちゃんのおさがりとか)を着ていました。冬はその下に手編みのセーターを着ていたりしていて、今考えると肩が凝りそうです。