2020年11月28日土曜日

深いお鍋



2010年の記事では壊れていなかった、直径16センチ、高さ14センチの深いお鍋は、その後数年して、底に貼りつけてあるステンレス板の一部がペコっと浮いてしまいました。
メーカーであるEVA TRIOの製品を扱っている店に、修理できるかどうかを問い合わせたところ、底が剥がれたものは修理できないとのことでした。私がこのお鍋を買った1980年代半ばには、EVA TRIOはデンマークでつくられていましたが、2015年頃にはすべて中国でつくられていることも知りました。
修理できないなら、同じサイズの新しいものを買いたいと思いましたが、その店では取り扱っていないどころか、そのサイズのお鍋は一度も見たことがないとのことでした。
2015年に、友人を訪ねてデンマークに行ったとき、日本にはないけれどデンマークには残っているかと、このお鍋を探しましたが、見つかりませんでした。それにもう、ステンレスのお鍋はEVA TRIOの主力商品ではなくなっているようでした。


毎日、剝がれたお鍋の底を見るのも耐えがたく、直径は同じだけれど高さが10.5センチのお鍋をもう一つ買い足しましたが、深いお鍋も捨てがたく、食品庫の棚に置きました。
毎日ではないけれど、ときおり深い鍋が欲しいときがあって、そのつど出してきて使っていましたが、底が剥がれてペラペラしている部分だけが高温になり、うっかり木の調理台の上に置いたりすると、木が焦げてしまいました。
底が剝がれたのは、急激な温度変化を与えたからに違いないと、夫に、「お鍋は熱いままで水に濡れたシンクに置いて、底を急激に冷やしたりしないで」と、何度も言っているのですが、なかなか実行されません。


さて、先日、食品庫に入ると、棚に置いてあるお鍋が足元に転がっていました。地震では落ちないでしょう、夫が柄にぶつかって落としたに違いありません。お鍋を拾うと、「あれっ、変!」、鍋底に貼りつけていたアルミ板(鉄板?)が剥がれ落ちていました。


こうなってはさすがに捨てる以外ないとも思いましたが、底が厚くなくて困るのは急いで料理をしたいときや煮込みをするときで、糸寒天を戻したりするにはどうせ弱火なので、熱回りの遅いステンレスの底だけでも問題なさそうです。


使う機会はすぐにやってきました。常温では固まっているココナツオイルを、いつも湯煎して溶かし、トレイに入れて冷やすのですが、湯煎はやはり高さのあるこのお鍋に限ります。


ココナッツオイルは、キューブにして保存容器に移し、炒めものなどのときに使います。

それにしても、メーカーが違ってもいいのですが、直径が小さくて深いお鍋、すごく便利なのに全然見かけない、不思議です。

お借りした画像です

以前、似た形の日本製の鍋も持っていましたが。持ち手が水平についていたので水をたっぷり入れると持ち上げにくくて、まったく使いものになりませんでした。
それは浅い鍋、深い鍋、コランダー(水切り)、手つきボウルと蓋がセットになっていたのですが、収納に便利なようでどれも役立たずで、とっくの昔に処分してしまい、浅いお鍋だけが残っています。


その残った浅いお鍋は、台所の安全弁です。
夫が、何度もコーヒーを少量お鍋に入れて火にかけてはほかのことに夢中になって忘れ、コーヒーは蒸発して底に炭が残り、ガスは勝手に消え、部屋中に焦げたにおいだけが残るということを繰り返しています。
そのつど、スチールたわしで、ときには電動のやすりで焦げを落とされ、今日もこのお鍋は、ほかのお鍋に手を出されないために、台所で頑張っています。





 

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