古書店を回る楽しみは、ずいぶん前から失われていますが、SNSのおかげで、思いがけない書に出逢うことがあります。
『中国の玩具』(天理大学附属天理参考館の企画展のカタログ、1997年)もそんな1冊、わずか13ページの薄っぺらいカタログなので、古書店回りではとうてい出逢わなかった冊子です。天理参考館収蔵の中国のおもちゃのカタログは、『泥娃娃(にいわわ)、古い中国の子授け縁起人形』に次いで2冊目です。
ところで、『中国の玩具』が、第38回企画展のカタログで1997年発行に対して、『泥娃娃』の第40回企画展のカタログが1974年発行となっていて、年代があってないので調べてみると、中国の玩具展は奈良の天理市にある参考館で開催されたもの、泥娃娃展は、東京にある天理ギャラリーで開催されたものと判明しました。
天理参考館の企画展アーカイブと、天理ギャラリーの企画展アーカイブで、中国のおもちゃの企画展がほかにもあったかどうかを調べてみると、天理ギャラリーで1997年2月から3月にかけて「中国の玩具」展をやっていました。これは天理参考館で同年6月から8月まで展示された玩具とおそらく同じもの、それ以外には中国の「おもちゃ関係の展示」はありません。
さて、「中国の玩具」展の展示玩具は、カタログを見ると風俗人形、歳時の玩具、子授け祈願人形、動きを楽しむ玩具、音を楽しむ玩具、その他の玩具の6つに分類されて、180点以上展示されていましたが、薄い冊子なので写真は少しだけです。
風俗人形。
上は花嫁行列人形で、左ページはその部分です。そして右ページは、中国東北区(満州)に在住していた人形師の小倉圓平さん(1887―1949)が日本人のお土産用につくった風俗人形、通称圓平人形です。
歳時の玩具。
左ページは春節のランタン、右ページは仲秋節の兎児爺です。
カンボジアにいたとき、カンボジア人の同僚から春節にランタンをもらいました。タイにもカンボジアにも、中国からの移民の子孫は多く、中国の文化はいたるところで見ることができるのです。
ランタンは鳥だったか、竹ひごで骨格をつくり、薄い紙を貼ったものでした。
帰国するときに、ランタンを持って帰りたいと思ったのですが、それでなくても荷物が多い上に、ランタンは複雑な形で大きくてかさばり、ちょっと触っただけで壊れてしまう雑につくられたものだったので、泣く泣く置いてきました。
歳時の玩具。
左ページは端午節の虎。日本の端午の節句に鍾馗さまや虎を飾るのは中国から伝播した文化です。
右ページは子授け祈願人形の泥娃娃(にいわわ)です。
音を楽しむ玩具。
がらがら、笛、鉦を打つ人形、マツムシやカエルなど、動くだけでなく音を出すおもちゃです。
そして、動きを楽しむ玩具です。
巻末の展示資料リストを見ると、動きを楽しむ玩具は54点、6つに分類された玩具の中で最大の数を誇っていますが、写真が紹介されていたのは、表紙とこの見開きの2ページのみでした。
念のため調べてみましたが、展示目録の中に、残念ながらぴんぴん鯛に似た玩具はありませんでした。
それにしても、中国のおもちゃが、日本のおもちゃに似ているのは、古くから交流があったのでうなずけますが、遠くメキシコのおもちゃと類似しているのはどうゆうことでしょう? 交流があったのかなかったのか、あったならいつ頃なのでしょうか? 左ページの下段の真ん中の、棒を握ると体操するおもちゃは、てっきりメキシコがルーツだと思っていました。







1 件のコメント:
良い古本屋は本当に少なくなりました。
神保町はまだ多いように思いますが、かつては地方で大学があるような街では良い本を並べている少々敷居の高そうな古本屋が多くあって、旅の折に立ち寄ることがちょっとした楽しみだったことを思い出します。
定期的に目録を送ってくれて、注文すると後払いなのも古書業界独特でした。
かきつばた
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