2026年4月9日木曜日

用途は判明。使い方は依然として不明

折々に書き綴ってきたブログですが、民具の用途、籠の材料などを正しく知らないままで書いていたことが、もしかしたら多々あったのではないかと思われます。


写真は、布を織るときに緯糸(よこいと)を巻いた管をセットして経糸(たていと)に通すときに使う杼(ひ)の一種ですが、私はこの大きな杼の使い方を知りませんでした。
杼は英語ではシャトル(shuttle)と言い、シャトルは往復するという意味です。


杼は左右から投げ入れ、上下に開いた経糸の間を軽ろやかに飛んでいくイメージのもの、なめらかに滑りやすいように、近代の杼には車がついています。

大きな杼は、大杼、あるいは打杼と呼ばれるもので、地機(じばた)で使われていたことが、このたびわかりました。



大杼は、杼でありながら刀杼(とうじ、とうじょ)としても使うもの、そのため、1辺が鋭角に尖っています。

デンマークの刀杼?幅がありすぎる気が.....

一般的な刀杼は、薄いけれど幅はある形につくられていて、寝かせて経糸(たていと)の間に通し、通しきったところで立てて、経糸の上下の隙間を大きく開いて杼を通しやすくする用途と、その通した緯糸(よこいと)を織りあがっている布の方に打ちつけるようにして、しっかり目を詰めるという、2つの役割を持った道具です。

地機と刀杼

上の写真は、『日々織々』からお借りしたもの、東南アジア大陸部の国々の山間部に住むカレン人の地機で、手前に刀杼を立てているのが見えます。
もっとも、カレンの場合は「杼」は刀杼とは別に用意されていて、刀杼を立てて、隙間を大きく開いたところに杼を通すので、刀杼と杼が一緒になっている「大杼」とは使い方が違います。
大きな杼が、大杼あるいは打杼(下の絵では管大杼)と呼ばれていて、地機で使うということはわかったのですが、肝心の使い方はどうだったのでしょう?


地機には、踏み木がありません。
踏み木があれば、経糸を通した綜絖と踏み木をつないで、それを交互に足で踏んで経糸を上げ下げして、糸を織って布にしますが、踏み木のない地機では、手で綜絖を上げ下げしなくてはなりません。
大杼とは「刀杼と杼が一体化したもの」なので、刀杼として経糸の間に立てているときに、同時に杼として緯糸を通すことはできません。ということは、大杼は「経糸の間に立てて、上下の経糸間を広げる」という用途には使わず、通した緯糸を打って締める機能だけを使っていたという可能性が考えられます。
大杼を寝かせて経糸の間を通すときに、杼としての機能もあるので緯糸も真ん中のあたりまで通ります。そこで、大杼を左右均等になるよう真ん中まで通したら前の段の緯糸を打って締め、大杼を立てることなしに、そのまま抜いて織り進んだのでしょうか?

私的には、カレンやラオスの織りもののように、刀杼は刀杼で、杼は杼で別々の方が使いやすいのではないかと考えてしまいますが、刀杼を立てて杼で緯糸を通すという二度手間を取らないで、速く織ることができるとも言えます。実際に織っているのを見てみたい!

新しいことがわかったと、勇んで書きはじめたのですが、使い方を想像しながら書いているうちに、いろいろ疑問が出てきて、使い方は相変わらず謎のままでした。








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