2013年10月17日木曜日

吸い飲み


背中を打って入院中、二週間は絶対安静でした。
寝返りは打てたので、食事は寝たまま左手でスプーンでいただきました。そして、お茶は吸い飲みからです。
子どもの時以来でしたが、吸い飲みには、すっかりお世話になりました。

病院から吸い飲みを用意するようにと言われ、夫に、
「家に帰ればあるんだけれど」
と伝えたのですが、売店でプラスティック製のものを買ってくれました。
まあ、お茶を入れてもらうのも、洗うのも、すべて他人が頼りですから、プラスティックでよかったのです。


ところで、家にあるガラスの吸い飲みはこれです。

私が育った祖母の家では、台所の戸棚の引き出しに、吸い飲みが二つ三つ入っていて、病気になると、吸い飲みでリンゴを絞ったジュースなど飲ませてくれました。


吸い飲みの蓋には、「薬呑、新案登録一一一二〇七」、丸の中には「ナカヤ式」とあります。
ナカヤ式の新案登録は、違う登録番号もあります。びっきさんも、別の番号の吸い飲みを持っていらっしゃいます。
これは、何が新案登録なのでしょう?


たぶん、この蓋です。はさみつける仕組みですが、簡単に着脱できて、はめると落ちません。
大正から昭和のはじめにかけては、何でもかんでも新案登録だった時代だったそうですが、活気に溢れていた時代だったのでしょうね。


それにしても吸い飲み、いつから同じ形をしているのでしょう、基本形は昔も今も全然変わっていません。哺乳ビンなんて、大きく形を変えたというのに.....。

と、ここまで書いて、ネットで画像検索をしてびっくり、


これが、ヨーロッパの吸い飲みだそうです。

我が家にあるのは、イギリスのもの、実験道具か何かと思ってずっと前に買ったもので、ミルク入れとして使っています。
ミルク入れとしては、気に入っているのですが、えっ、これが吸い飲みだって!


イギリスだけでなく、フランスのものも同じ形をしているようです。
ネットの情報は、広いけれど断片的なものなので、この吸い飲みがいつ頃からいつ頃まで使われていたのか、詳しいことは不明です。


それにしても、磁器の吸い飲みは重さ275グラム、ガラスの吸い飲みは66グラム、口の細さ、全体を握って使うか、取っ手に指を掛けて使うかという、使い勝手。
どこから見ても軍配はガラスの吸い飲みに挙がります。もしかしたら、磁器の吸い飲みは、ガラスの吸い飲み以前のものでしょうか?



4 件のコメント:

昭ちゃん さんのコメント...

いろいろあるのですね、
ガラスだと飲みながら分量がわかるけれど。
 母が大根おろしでリンゴをすり、
ガーゼで絞り楽飲で、思い出しました。

さんのコメント...

昭ちゃん
ミルク入れとして使っている磁器が吸い飲みとわかり、びっくりしました。でも、とても吸い飲みとして試してみる気にはなれません(笑)。西洋の吸い飲みは自分で使うとこぼしちゃいそうです。
吹きガラスの吸い飲みは傑作でしたね。でも、確か蓋の閉まり具合には苦労していたような記憶もあります。
あと、病気になると子どもなのにアルコールの強い卵酒も飲ませてもらいましたね。楽しみだったりして(笑)。
祖母は明治の生まれですが、寝込むと熱い砂糖入りの牛乳に、七輪で焼いたトーストを浸したものしか食べられなくなりました。張り切り過ぎてしょっちゅう寝込むので、うらやましくて、うらやましくて(笑)。というわけで、我が家の朝食はわりと早くパンになりました。

はっと さんのコメント...

春さん。大変でしたね、、、。どうぞあせらず丁寧に治してくださいね。ちょっと寒くなってきてるのでそちらもご用心ください。
吸い飲み懐かしいです。祖父を介護していた時プラスティック製のものを毎日使っていました。子供の私は使ってみたくて、時々借りてました。

さんのコメント...

はっとさん
気をつけなくてはだめですね。反省しています。ただ、軽くすんだのは不幸中の幸いと、前向きに考えています。
かつては整形外科医は骨のことしか考えなかったけれど、療法師さんの導入で、筋肉も同等に考えるようになったとか、その恩恵を受けられることはありがたいことです。
今ではストロー、タンブラーなどもありますが、長くモデルチェンジしていない吸い飲みも、なかなかのすぐれものです。見直しました