2024年4月16日火曜日

身体が一つなのに、衣類を持ちすぎでしょう!

土曜日に、「つながる図書館」で映画、『The true cost, Fast Fashion』を見ました。
The true costとは真の代償、そしてFast Fashionとは、流行の最先端を取り入れながらも低価格で品質も良いファッションというほどの意味です。


洋服を自分でつくった時代、あるいは自分でつくらないまでも身近な仕立て屋さんにつくってもらっていた時代に比べると、洋服は格段に安くなっています。そして私たちは昔とは比べものにならないほどのたくさんの洋服を持っていて、中には一度も袖を通さないTシャツなどが1枚や2枚、箪笥に眠っていることもあります。
何故、安い洋服を大量につくることが可能になっているのか、安い洋服をつくる裏で何が起きているのか?
この映画は、バングラデシュにある縫製工場の建物の崩落事故を契機に、Fast Fashionを最底辺で担う人々のことを知るためにつくられたものです。


2013年4月25日、ダッカ郊外で、縫製工場の入った「ラマプラザ」が突然崩落して、世界中に衝撃を与えました。この一つのビルの崩落事故で1134人が亡くなり、2500人以上の方が負傷しました。事故前日に、ビルに亀裂が見つかっていたものの、現地経営者はこれを無視、大惨事になりました。
生産コストを低く抑えられ、それに異を唱えれば契約を取り消されてしまう現地経営者に、操業を休むとか、ビルを修理するという選択肢はなかったのです。


ファストファッションは、このような、安い賃金で働かされる人々の、血と汗の上に成り立っています。カンボジアで、待遇改善の集会をしていた縫子さんたちが、警官隊によって殴り殺されている場面もありました。

またこの映画は、染料工場から出る廃液が川に流れ込み、その水を使って生活をしている人々に多大な影響を及ぼしていることも報告しています。鮮やかで堅牢な色を染めるため、日本では数十年前に禁止された薬物が使われ、たくさんの子どもたちが障害を持って生まれています。
そして、多収量を目指して品種改良された綿を栽培する現場では、除草剤、殺虫剤などを多用せざるを得ず、家計をひっ迫するだけでなく、生産に携わる人々の健康を害しています。

スーパーフライデーの衣類売り場

現在、既製服の自給率は、原材料の生産を含まないで、日本は2%しかありません(ちなみにアメリカでは3%)。綿、亜麻などの原料も含めると、自給率はさらに低く、限りなくゼロに近くなってしまいます。
大量生産大量消費のループを断ち切らない以外、最底辺で生産に携わる人たちは、この状況から抜け出ることができません。

先日、『東京新聞』だったかに、新しい服を買う生活をやめてみた女性の報告が載っていました。快適だそうです。
私は、ほとんどが手持ちのもので済ませているとはいえ、衣類の購入ゼロの年はなかなかない気がします。これから意識して、まず、この1年は衣類を買わない、からはじめてみるつもりです。






 

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