2024年4月22日月曜日

缶の蓋に特徴あり


桐山染料の缶の蓋を見て思い出したのは、アイコクベーキングパウダーの缶です。
ベーキングパウダーの缶は、もう何十年もこの大きさでこの形、蓋は本体にはめ込むもので、見慣れたものです。


戦前のアイコクベーキングパウダーの缶も持っています。
アイコクベーキングパウダーは1932年からつくられはじめ、デザインは違いますが、蓋は昔からまったく同じ方式です。


戦前の缶は、直接印刷ではなく、紙のラベルが貼ってあります。ラベルには、
「代用食に國産ふくらし粉、愛国ベーキングパウダーを使ひませう」
と書かれていて、また、絵文字も散らして、
「水一合強+味噌10匁+砂糖少々ヲスリ鉢デスル 小麦粉100匁+愛国ベーキングパウダー4匁ヲヨク混合シテ スリバチニ入レ杓文字デネル 桃太郎ノ弁当ノ形ニ丸メテ蒸器デ十五分間蒸ス オトウサン、ボウヤ、ショウチャンモヨロコブ代用食労研饅頭デキマシタ」
と、レシピが書いてあります。
代用食とはお米のご飯の代わりに、小麦粉などを使ってお腹を満たすもの、労研饅頭(まんとう)とは、今では愛媛県松山だけに名前が残る蒸しパンのことのようです。当時、労研饅頭と言えば、全国的に蒸しパンのことを指したのかどうか、私は知りませんでした。

はめ込む蓋と言えば、トワイニング紅茶の缶は四角だったけれど、蓋は丸いはめ込み式だったと思い出してネットで検索してみました。
「えぇぇぇぇ!」
トワイニング紅茶の蓋は、今では全部上からかぶせるものに替わっていました。
あれはいつ頃だったでしょうか、日本には日東紅茶が席巻していたところにトワイニングが現れ、オレンジペコーとかダージリンとかいろいろあったけれど、アールグレーが衝撃的なおいしさで、アールグレーばかり飲んでいたころがありました。
もしかしてそれは、1970年代?
気がつけば紅茶は多様化して、原産国から直接の流通も盛んになり、ルイボスティーやハーブティーなども現れ、トワイニング紅茶はOne of Themとなり、もう何年も飲んでいません。


左の缶は、中身の生産国はインドだけれど品名はイングリッシュモーニングティーとだけしか記載のない、センチュリートレーディングカンパニーが輸入元の紅茶缶、友だちにもらったものです。
右の缶は骨董市で出逢ったもの、森永なので紅茶ではなくココアだったのでしょうか? 


森永製菓のデジタルミュージアムを見ると、1919年、日本初の森永飲料用ココアが発売されていますが、当初から丈の高い缶だったようです。となると、エンジェルの蓋の缶は、ココア缶ではなく、別のものが入っていたのかもしれません。


さて、桐山染料の缶は本体の縁が盛り上がっていなくて平らですが、古いアイコクベーキングパウダーの缶はちょっと盛り上がり、現行のアイコクベーキングパウダーの缶は縁が盛大に盛り上がっています。
背の高いベーキングパウダーの缶は閉まりにくく、無理やり押し込むと、開けるときマイナスのドライバーを使わなくてはなりませんが、それはずっと変わってない気がします。


紅茶缶の本体の縁は盛り上がり、古い森永の缶もちょっと盛り上がっています。


古い写真を見ると、捨ててしまった南アフリカのルイボスティー缶も、蓋をはめ込むスタイルでした。もしかしたら蓋をはめるタイプのお茶缶の製造は、もう世界から消えてしまっているのかもしれません。







 

4 件のコメント:

さんのコメント...

hiyocoさん
本当だぁ!
缶を見て紅茶としか思ってなかったんだけれど、「森永が紅茶?」と思い返して森永ミュージアムを見るとどこにも記載がない、ドロップスか何かと思い始めていたところでした(笑)。復活を目指している人もいるなら、ちゃんと社の歴史に記載しておいて欲しいです!!!
ベーキングパウダーの缶は新しいものですよ。古い缶は捨てました(^^♪新しい缶はデザインがそっくりですが「アルミ不使用」と書いてありますよ。
と、ここまで書いて缶の消費期限を見たら2020年1月1日でした。使っていたけれど、捨てなくっちゃ(笑)。

さんのコメント...

hiyocoさん
うかつ、S&Bカレー粉の缶が、我が家の引き出しにもあって、はめ込み式の蓋でした(笑)。
そういえば、S&Bは粉からしも粉わさびもはめ込み式の缶でした!!! デザインが長く変わってないですね。
こちらは消費期限はいつかと見ると、2025年8月でした(笑)。わりと大きめの缶を買ったので、しっかり使わなくては!!!

hiyoco さんのコメント...

アイコクのBPを捨てた後、使い切り用に小袋に入った日清のBPを買ったのですが、今賞味期限見たら2017年4月でした(爆)。おかしいな、春さんと前に古いBPの話をしたはずなのにと、過去に遡ってみたら、2016年1月に「新しいの買います!」と宣言していました。ちゃんと買い換えたけど、またも使い切れませんでした(苦笑)。BPの話をして8年も経っていたことにびっくり!
https://koharu2009.blogspot.com/2016/01/blog-post_15.html

さんのコメント...

hiyocoさん
古いブログにしても、賞味期限が切れるのにしても、月日の流れるのは早いですね(笑)。そして、お互いにもっとお菓子をつくらなくっちゃ!
今のアイコクベーキングパウダーの添加物を見ると、焼きミョウバンを使ってないどころか、酸性ピロリン酸ナトリウムは15%だけになって、ほかにもいろいろ入っています。アルミ不使用と大きく明記してあるというのはどうゆうこと? アルミ缶のことではなさそう、添加物にアルミが入っているものがあるのでしょうね?
いっそ、ベーキングパウダーをやめてベーキングソーダ(重曹)を使う方がとも思いますが、重曹にも「食用ではない」というのがあるのが謎、まぁ、たまにしか使わないのだから、思考停止して、使い続けましょう(笑)。