エレーナ・ガモアさんのマトリョーシカです。
見ているだけで、幸せな気分になれる、美しい絵つけ。
と、写真を見ていたら、あれっ、サラファンの左胸に花の模様を描き忘れていることに気がつきました。そんなこともあるのですね。
マトリョーシカはこの二十一世紀に、本当に多彩な顔を見せていて、しかも完全手仕事です。
作家さんの名前がありながらも、「おもちゃ」、「飾りもの」、「お土産」であり続ける潔さ。なかなか面白い現象だなぁと思います。
一昔前のマトリョーシカは、小さい娘たちの絵つけは省略してあります。
それも味だけど、最後の娘までしっかり描き込んでいるのも、また趣があります。
それにしてもガモアさんのマトリョーシカには、ペーズリー模様がたくさん使われています。
ペーズリーの原型は、古代ペルシャにありますが、十七世紀にインドのカシミールで今の形となり、それが英領インド時代にイギリスにもたらされ、1800年ごろからスコットランドのペーズリーで量産されるようになって広く出まわり、名前が一般的に知られるようになったものです。
他の模様については知りませんが、それぞれ歴史があるのかもしれません。
縦に受け継がれた技術と、横に行き交った文化の集大成としてのマトリョーシカ。
すでに兆候はありますが、そのうち歴史の常で、安い量産品と、高い芸術品に二極分解していくのでしょうか?
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