ガラスビンを密封したいと思ったら、機械でガラスビンや蓋を大量生産できる現代では、鉄製の王冠や、鉄やアルミのネジ式の蓋を使うのが、もっとも一般的です。
でも、型を使うにしろ、ガラスを吹いてつくることが主流だったちょっと前は、密封したいとき、薬ビンのように両方の接触面を研磨して、ガラスの蓋を落としこんで閉じていました。
そんな中、ガラスの蓋を針金で閉じるものも、少数ですが今でもつくられています。
針金など、金属で閉じるガラスの保存容器です。
今でもつくられて、普通に売られているのが、この形です。
蓋が取り外せないので、針金の奥までしっかり洗うのはちょっと手間だけれど、たわしなど使えばきれいに洗えます。
緩衝材は昔はゴムでしたが、今はシリコーンでしょうか。
右はフランスの古いもの、左はやはりフランスの新しいものです。もっとも、新しいと言っても、我が家で数十年、ゴムは硬化し、すでにビンテージになりかけています。
長い間憧れていたのに、当時の日本では売っていなくて、あれは1970年代だったか、見つけた時は大喜びしたビンでした。
この形も、無理な力もかからないし、今でもあってもいい便利さなのに、見かけないものです。
下側の針金を押し上げると、蓋を留めている針金が緩んで、蓋を開けられます。
イギリスの古いもので、透明ガラスのビンもあったのに、地震で割れてしまいました。
大好きなデンマークのビンです。
持ち手にもなるステンレスの針金で蓋を留めるとき、ちょっと引っ張り気味にします。針金はガラスの穴に差し込んであるので、優しく扱う必要があります。大中細と三つ持っていて、お菓子を入れたり、果実酒を入れたりと、かつてはとても重宝に使っていました。
ところがある日、細いビンの口に亀裂が入っているのを発見しました。
粗雑には扱えないと、普段使いをやめましたが、注意しておいても気がつけば夫が使っています。そのため、夫の目につかぬよう、あっちに隠したりこっちに隠したり、意地悪をしていたら、亀裂の入った細いビンは見えなくなってしまいました。
銀座松屋で買ったものです。素敵な生活用具をいろいろ売っていた松屋は、数十年前から全フロア衣類ばかりになり、足を向けることもなくなりました。
種などを入れて飾るにはちょっと大き過ぎるこのビンたち、最近はただの場所ふさぎになっていますが、やっぱり使った方がよさそうです。
このビンは、針金でなくばねのような金属で閉じています。
エンボスが入っている日本製のビンですが、ドイツのエッグ・コッドラー(卵蒸しのガラス器)に見られる留め方です。
おもしろいし、簡単に留められるのだけれど、エッグ・コッドラー以外では、見たのはこれだけです。
日本製のエッグ・コッドラーを骨董ガラス屋さんの店先で見たことがありますが、骨董ガラス屋さんの話では、珍しいものだそうでした。もちろん、ビンもエッグ・コッドラーもドイツの真似、コピーです。
これは、我が家では一番新参ものの保存容器です。
つまみを持ち上げると緩むので、横にずらして針金を外します。全部洗えて便利です。
ドイツ製、オールド・フレンドで見つけました。
受け取るとき、店員さんから、
「古いものですから、食料品などは入れないでください」
と言われました。
「はい」
とは言ったものの、古いお皿など買ってくるとすぐ使ってしまう私、まさか毒薬でも入っていたわけではないと思いますがこれまでのところ、食べるものは入れていません。でも、前からある古いビンたちには、いつもクッキーなど入れています。
オールド・フレンドでは最近、店員さんにそう言うように徹底しているのかもしれませんが、ヤギの乳のしみ込んだ木のボウルとか、錆び錆びの金属のお皿ではあるまいし、「POISON」と書いていなかったら、もちろん使ってしまう私です。
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