2014年5月8日木曜日

鉄の工房拝見

私が、竿の先につける籠玉を欲しがったために、このところ、夫は竿を立てること一色に染まっています。
もともと、行動力と集中力はあるけれど、一つのことに夢中になったら、他のことが目に入らなくなる性格です。家の建設の方は、これで三週間 、あるいはへたをすると一ヶ月遅れてしまいそうです。

普通、鯉のぼりの木の竿は、二本、あるいは一本のあらかじめ立てておいた短い丸太に、ボルトで固定します。でも、丸太が土に突き刺さっているのが、腐りやすいのではないかと、夫にはどうしても気になります。そこで、コンクリートでコの字型の鉄骨を地面に固定し、竿をそれに立てようとしています。

6ミリ厚の鉄骨に、直径22ミリの穴を開けるのは難しく、鉄作家の須知大さんに開けていただくことにしました。


須知さんの工房は、岩間の愛宕山の麓にある元結婚式場のバスの車庫だった建物で、バス二台(もっと)が入る、大きな空間が広がっています。


いったい、こんなところに大きな結婚式場をつくったのはどんな人だったのでしょう?営業中はきっと、一ヶ月に一組の結婚式もなかったことでしょう。私たちが、十数年前に愛宕山に登る道からその建物を初めて見たときには、とっくにつぶれていました。


須知さんは、木工と鉄工と両方やる人です。
工房には、いろいろな機械がいっぱい置いてあって、見るだけでわくわくします。


鉄筋を突っ込んでおいて、叩いて曲げる道具です。
重い重い鉄の塊です。


これは来週から始まる、八郷椅子展に出品するもののようです。


これはなんでしょう?
叩くための台かとも思いますが、とっても素敵です。


鉄を熱する炉もあります。


これこれ、大きな大きなあてがねです。


一番奥のドリルで穴を開けてくれます。


ここで、直径18ミリの穴を、一本につき三ヶ所ずつ、合計六個開けてもらいました。


きれいに開きました。


これから、一番上の穴だけを、22ミリに広げてもらいます。


ふうん、こうやって広げるんだ。
なかなか面白そうですが、なにせ私は怪我以来、5キロ以上のものを持ってはならない身体、なにもできません。


想像力をかきたてるような材料が転がっています。


板のいろいろ。
須知さんの作品は、木と鉄の取り合いが絶妙です。虫喰いも須知さんの手にかかると、わざとつくったように、素敵に映えます。


この、二本くっついて、断面がハート型になった木にも見おぼえがあります。磨いて椅子になっているのを見たことがありました。
 

切り残しの鉄板はそのままアートです。
 

この恐竜はこれから何かになるのでしょう?
つくりかけの、カフェの看板もありました。


中でも気に入ったのは、玄能やバールを刺して収納する台です。欲しい!
木でならつくれるけれど、もし木でつくったら、頭が重いのでひっくり返りやすいし、重さにはあまり耐えられないかもしれません。


もっとも、我が家の金槌たち、大きくて重いものはわずかですけれど。





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