2019年8月13日火曜日

茅葺屋根の家


昨日、茅葺き屋根の家を改築した、Cご夫妻の家を、I.Eさんを誘って訪問しました。
いやぁ、素敵でした。お見事!
表から見ると単純な屋根に見えますが、裏に回ってみると、左の方の屋根が後ろに突き出している曲がり屋です。
裏に山を背負っていますが、家の前後が、Cさんの手に入れた土地です。


ここは筑波山ろく、室内を吹き抜ける風が心地よく、関東平野を一望できるロケーション、遠くスカイツリーから、晴れた日は富士山まで眺められます。


家は解体せず、柱を新たに足すという方法でつくられているようです。
茅葺き屋根の屋根裏が、見えていますが、それがまたとっても素敵です。


台所には竃が備えつけられています。
夫人はマレーシア出身の方ですが、ご夫婦とも自然素材、地産地消にこだわっていらっしゃって、木材は茨城県産、照明器具は西ノ内和紙を使った水戸提灯、団扇はやはり西ノ内和紙を使った常陸太田の雪村団扇、箒は筑波箒、竹籠はつくば在住のTさんのつくったもの、大子の漆器などを使っているという徹底ぶりでした。


裏手にある別棟のお風呂は、コウヤマキ製で超豪華、ヒノキに似た香りが漂っていました。


暑いので、お訪ねした日には囲炉裏に炭はおこっていませんでしたが、冬は囲炉裏が唯一の暖を取る場所のようでした。

家は、南向きの田の字型の間取りで、東側に土間、西の壁一面は4間の押し入れになっていました。訊き忘れましたが、床の間も潰して全部を物置きにされたのでしょう。
南北が掃き出し窓で、足元まで開いていて、それがこの家の気持ちよさの最大の源でした。ただ、こんな間取りですから壁がありません。一つにつながった空間です。したがって部屋のどこかに箪笥や茶箪笥などを置けばよさが失われてしまうことでしょう。
それが、私のように飾りたいものを抱えている人間には住みにくいだろうと思われるところでした。
ただ、母屋の前に道を挟んで納屋もあり、そちらはまだ改修されていませんが、そちらにうまくものを置いたりすることはできそうでした。

Cさんご夫妻は、平日はつくばの中心街に住み、東京に通っていて週末はここで暮らすという日々を過ごしていらっしゃいます。
この家からでは、東京まで通いきれないのが残念とのことでした。





  



6 件のコメント:

昭ちゃん さんのコメント...

 いつも思うのですが今風の家は冷暖房完備で組立式だから窓も縦長で少ないですね、
高台にある洋風の二階など床や畳レベルに昔の家に有った掃きだし窓があれば
風が抜けて涼しいだろうなーっと思っています。
でも既製品を組み立てるので注文は無理なんでしょー
昔が良いとは言いませんがそれぞれに工夫がありました。

さんのコメント...

昭ちゃん
八郷のあたりの民家は、土地が大きく使えるので家も大きくなり、奥行きが深すぎて、暗い部屋ができるし風も通りません。
しかし、筑波山ろくにある家々は敷地の奥行きが限られていて、深くなりません(4間と言えば深いですが)。部屋4つに外と区切る壁はついておらず、全部が掃き出し窓でした。
裏を開けると石を積んでつくった疎水があり、その奥が高くなって、段々畑では自給用の野菜や果樹を栽培していたようです。
筑波山ろくは、逆転層と呼ばれる現象が起こるので冬は暖かくみかんも採れます。昔は登山者のために宿をしたりお茶屋をしたりする家があったのでしょうね。

rei さんのコメント...

八郷には比較的多くの茅葺古民家が残されていますね。ご苦労も多いでしょうが、パンフレットを作ったり、イベントを開催したりと維持して行きたいとの地元の方達の意識が高い様に見受けられます。

さんのコメント...

reiさん
たくさんの方が、萱葺きの保存に力を傾けていらっしゃいます。しかも、とっても楽しそうにやっていらっしゃいます。
それでも残念、年々減って行っているのが現状です。
福島県は早くに萱葺き屋根にはトタンをかぶせることを義務づけました。火事対策です。でも茨城はそうでもなかったのですね。そのためたくさん残っていたのですが。

hiyoco さんのコメント...

素敵ですね!南側が4間分も窓(というか戸)で壁がほとんどないなんて耐震性が心配になりますが、柱や梁がしっかりしているんでしょうね。もう何十年もこの状態が証明ですね。
うちも田の字の作りで全部が角部屋。2面が窓で1面が押し入れだと箪笥などの置き場所が限られることに、住んでから気が付きました。でも風通しがいいことが一番です。今年一瞬うちに立ち寄ったお客さんが「この家でクーラーが効いているなんて初めて。いつも全部開けっ放しだから」と笑っていました。老犬のためですが、早く開け放てる季節になって欲しいです。

さんのコメント...

hiyocoさん
すごく気持ちいい家ですが、今はまだ駅の近くにマンションの部屋があって別荘状態、拠点をここにすべて移すとなると、ものの置き方が難しいと思いました。箪笥などを置いてしまうとよさが半減しますからね。
4間の収納があるので、収納場所の量としては十分だけど、全部半間の奥行きだから、ものによっては深すぎて、使い方が限られてしまいそうです。本などはどうするか?
でも、すごく厳密に持ちものを考えているご夫婦だから(湯沸かしは鉄瓶でした!)、何とかなることでしょう。
筑波山は歩いて登る人も多く、結構この家の前の道を徒歩の人が通りました。元の持ち主はお茶屋もやっていた時期があったそうですが、彼らも納屋(古いけれどまだ手付かず)をカフェに改造することも考えているようです。でも、私は納屋を倉庫にして、いろいろ収納したらよいと思いました。

hiyocoさんの家も風が抜けるのですね。海の近くだし、さぞかし良い風が吹くことでしょう。掃き出し窓ってほんと気持ちいいですよね。今日あたりちょっと涼しくなったから窓を開けて、老犬アディーもクーラーなしで大丈夫かな?