2023年7月5日水曜日

毛仕事


織物教室に、北海道から久しぶりに羊の毛1頭分が届きました。
奥が頭で手前がお尻、真ん中の白っぽいところが背中で、両脇が手足となっています。
毛はちょっと獣臭がありますが、猫のクリちゃんは心得たもの、乗ったりひっかいたりしません。


羊の毛は毎年刈ります。というわけで、どんなウールも1年ものというわけ、長さや柔らかさは羊によって違いますが、8、9センチあります。
これはサッチェビーという品種で、サフォークとチェビオットの掛け合わせたものです。

サフォーク
チェビオット


今回は3人で分けるので、3等分していただきました。


さて一昨日は、洗った原毛300グラムを染める準備をしました。
まず小分けして、


カーダーの上に置いて梳り、それをドラムカーダーで板状にして、コチニールで染めます。前回はやはりコチニールを使いましたが、鉄媒染したので紫色に染まりました。


右がコチニールで染めて鉄媒染したもの、左はどうしたのかうっかり残って鉄媒染できなかったものです。


媒染はミョウバンでします。原毛の6%、18グラムのミョウバンをお湯で溶かします。


ミョウバン液を原毛の重さの50倍のお湯で薄め、原毛をむらにならないように少しずつ、フェルト化しないように静かに入れ、60度まで熱したら上下をさかさまにして、100度の手前まで、弱火で温度をあげます。
そして静かに30分煮ますが、失敗しました。糸紡ぎに気を取られていて、気がついたらぐらぐら煮たっていました。ぐらぐらさせると、毛が傷んだりフェルト化してしまいます。


これは、蒸して仕上げる前の紡いだ糸、へたくそなのはすべて紡ぎ車のせいということにしています。
左から、乾燥コブナグサ、生のススキ、ススキとヤマモモの鉄媒染で染めた2色を混ぜながら紡いだもの、ヤマモモの鉄媒染、そしてコチニールの鉄媒染です。
このあと、コチニールで染めたものと、染めた後の液で薄く染めた2色ができるので、どう組み合わせてどんなものを織るか、楽しみです。




 

2 件のコメント:

hiyoco さんのコメント...

1頭分の原毛っていくらぐらいなのですか?ささっとネットで見て、1フリース5,000円ぐらいで、そんなに安いの?ってちょっと驚いているのですが。ピンキリなんでしょうか?最終的には食用になる羊なんでしょうか?じゃないと採算あわないなぁって。
フリースってユニクロのアレじゃないんですね(苦笑)。

さんのコメント...

hiyocoさん
キロ4,500円、1頭分(1フリース)で10,000円弱でした。というわけで、690gほど分けていただいた私の値段は3,000円ちょっとです。
羊の毛は種類によって毛足の長いの短いの、硬いの柔らかいのいろいろあるようです。私は昔に織物を習ったことがあるのですが、出来合いの糸を使って織るのが中心だったので、羊の毛に関してはまったくわかりません(笑)。それに、古い紡ぎ車が癖が強いときていて、紡ぎも壁にぶち当たりっぱなしです。
自分の織り機が遊んでいるのを憂いて習いはじめたのに、その織り機もあまり使われてないタイプなので(まだ使えるように整備していない)、いつになったら自分の織り機まで到達するのか、果てしない道を歩いているような気がします(笑)。

この羊は最後は食用にできるみたいです。しかし、食用って1歳前後が適していましたよね?北海道の畜産家さんも大変です。