2024年10月5日土曜日

キリム用キルキット

トルコの手工芸品を扱っているネットショップから、「今日が30%OFFの最終日です」というメールをもらって、ついつい、
「どれどれ」
とのぞいてしまいました。30%OFFの上、送料も無料、使うこともないと思うけれど織物の道具だしと、キリムを織るときの打ち込み道具、キルキットを買ってしまいました。


木の柄の先に切り込みを入れて鉄板をはめてあります。

写真はトルコではなくセルビアのキリム

キリムなど綴れ織りは、緞通(だんつう)のように常に水平に1段ずつ織り進むのではなく、下に図案を置き、図案に沿って色ごとにでこぼこと織り進んでいき、織り終わりにはまっすぐに整えます。そのため、緯糸(よこいと)を経糸(たていと)にくぐらせた部分をしっかり打ち込むとき、巾のさして広くない打ち込み道具の方が適しています。


鉄板は5枚、鉄棒(リベット)を突き刺して固定しています。


鉄板を差し込むために鋸でつけた切れ目が不揃いなところに、村の鍛冶屋さんの仕事らしさが見えます。
ネットショップの写真を見ると、もともとは5本ほどあったキリム用キルキットは、私が買ったのが最後の1本だったようで、SOLD OUTになって、画面上から消えてしまいました。
まにあって、よかった!

トルコのエーゲ海地方

このキルキットは、エーゲ海地方の、絨毯で有名なウシャクの山村で使われていたのと同じ形のものです。昔は各戸でキリムを織っていたので、どの家にもあったキルキットですが生活様式が変わって、今ではキリムを織る人がいなくなり、キルキットも失われ、これはショップのオーナーが、村の鍛冶屋さんに再現してつくってもらったものだそうです。


緞通を織るには大掛かりな縦機(たてばた)が必要ですが、キリムを織るには、経糸(たていと)を張ることのできる簡単な枠があればいいし、枠は持ち歩けるし、みんなで集まっておしゃべりしながらでも織ることも出来ます。


こんな豪華なキリムは熟練した織り手によるものですが、村の家々で防寒のために必要に迫られて織られたキリムも素朴で素敵だったことでしょう。


トルコのキルキット、いろいろです。

ところで、ほかの地域では緯糸を打ち込むのに何を使っていたのでしょう? その昔、私が織りものを習った先生はノルウェーに留学して織物を学ばれた方でしたが、教えていただいたのはディナーフォークを使って打ち込むこと、綴れ織りの盛んな他の北欧諸国でもディナーフォーク(かそのようなもの)を使っていたのではないかと思います。

西陣つづれ織保存会の写真をお借りしました

そして、日本の西陣では、羊毛より細い絹糸を使うこともあり、江戸時代から爪掻本綴織(つめがきほんつづれおり)という方法がとられ、打ち込み道具を使わず、ギザギザに切り込みを入れた爪で緯糸を整えてきました。




2024年10月4日金曜日

卵混ぜ器

以前、性能のいい卵かき混ぜ器が売られているのだけれど、高すぎて買う気にならないとブログに書いたことがありました。
すると、hiyocoさんが、「卵はあまり溶き過ぎても卵本来の味が損なわれる」と言ってくださったので、その言葉を励みに、あるときは菜箸である時はディナーフォークで卵を溶いていました。でも白身がなかなかほぐれず、玉子焼きをつくるときなどは「もう少しほぐしたいなぁ」と思ったりもしていました。


すると、しばらく前に『通販生活』に初めて見る卵混ぜ器が紹介されていました。値段もあの高い卵混ぜ器の3分の1くらい、これなら万が一あまり使えないものだったとしても良心の呵責にさいなまれるものでもないと買いました。


片方がギザギザになっている輪で、左右に軽く振るだけで、白身がおもしろいようにほぐれます。
便利、便利。
ただ、調理をしながらも、卵混ぜ器をできるだけ早く洗った方がいい。そうしないと卵が固まると、洗いにくい形状をしているので難儀しそうです。


というわけで、料理より洗いものを優先させたい、私のような人間には向いていますが、料理に集中して、洗いものは後といった人には不向きかもしれません。

まだ、これで溶いた卵で茶碗蒸しはつくったことがないけれど、茶碗蒸しはどうでしょう? 茶碗蒸しの卵を溶くときは、菜箸の先をボウルの底から離してはいけない、つまり空気を入れてはいけないということだと思うのですが、この卵混ぜ器は持ち上げたりせず、左右に振るだけなので、空気は入らないでしょうか?







 

2024年10月3日木曜日

スズタケのじょうご


あれっ、毎月3日は「箕の日」ではなかった?
箕の話題がないので、9月に引き続いてじょうごのお話です。箕同様、じょうごも竹でできた、たいせつな農具でした。


スズタケ(根まがり竹?)を使って、縁は「矢筈巻き」のじょうご、おそらく信越地方(または東北地方)でつくられたものでしょう。長岡と墨書きされていますが、地名ではなく名字かと思います。


編み始めの、細い方の縁は、床に乱暴にこすりつけたりしたのか傷んでいましたが、おかげで芯材を見ることが出来ました。


太い針金でした。細い針金で結わえて、しっかり「わ」にしています。
経材(たてざい)はスズタケのひごは細いので4本まとめて使っています。合計27本の経材、1カ所が4本ずつですから、27×4=108本で編み始めています。


じょうごを広げるにつれ、経材は2本ずつに分かれます。
経材を偶数にしては編み進めることが出来ないので、真竹のじょうごは、経材の1カ所だけ1本足すのではなく2本足して経材を奇数にしていましたが、スズタケのじょうごは経材を1カ所だけ2本ずつに割らないでそのままにして奇数にしてあります(真ん中)。


穀物が滑りやすいように、内側に竹の皮の方を使っています。


じょうごのお話でした。








 

2024年10月2日水曜日

♪元気出していこう♪

帯状疱疹で皮膚科の診察を受けてから早4週間経過しました。相変わらず左わきの下から胸にかけてと、左腕がチクチクしています。
しゃきしゃきと良くならない病気だなぁと思いながら、それでも一昨夜は珍しく、痛くて眠れないということがなかったので、ちょっと改善しているかもしれません。
病気に気づいた最初の違和感は、キーボードを操作するとき、机にあたった左手の掌が妙に痛いということでしたが、このところ、掌は机に当てても大丈夫、左ひじを机に乗せて頬杖をつくこともできるようになりました。
もっとも、左腕全体のしびれ感は抜けず、医院からはまた一週間分の痛み止めと、痛みやしびれ感などの神経障害を改善する薬をいただいてきました。

写真はしぶとく咲き続けるホテイアオイ

さて、昨日、子猫たちを引き受けてくださった、猫の保護活動をなさっている「さこ」さんのインスタグラムで、保護していただいた猫たちが一生懸命餌を食べている動画を見て、ありがたさに言葉もありませんでした。
一生懸命生きようとしていた猫たちが生かされて、本当に感謝しかありません。








2024年10月1日火曜日

子猫騒動

しばらく前に、野良猫が我が家の門のところで出産をしたらしく、子猫が3匹ちょろちょろするようになりました。
やがて、おそらく乳離れの季節を迎えたのか、子猫はお腹を空かせているらしく、通るたびに現れて、足元にすり寄ってきます。 


餌をやれば、十中八九居つくことでしょう。
私たちがもう20年若ければ居つかれても大丈夫ですが、責任が持てきれない年になってしまっています。
以前、タママルを紹介していただいた保護猫のサイトに投稿すると、何件かの問い合わせがありました。そのうちの保護活動をしている方と連絡を取ること数日。もう餌をやらないと飢えるというぎりぎりの日が迫ってきている今朝、
「ケージが一つ空いたから連れてくるなら引き取れる」
という連絡が入り、片道2時間のドライブで、引き取ってくださる方のもとに、無事猫たちを送り届けてきました。
「よかったぁ」
これで、大きな懸案事項が解決しました。ありがたいことに、予防注射をしたり、避妊をしたりして、保護者を探してくださるというのです。
猫たちはかわいらしく、人懐っこく、皮膚病にもかかってなく、素敵なしっぽを持っているので、きっと幸せな生活が待っていると思われます。
本当に肩の荷が一つ降りました。