2025年11月18日火曜日

カバヤ文庫


日曜日の朝、ちょこっと骨董市をのぞいてみました。


すると、おもちゃ骨董のさわださんの店先に、「カバヤマンガブック」が3冊置いてありました。
「ん? マンガブック?」
マンガブックはいつごろつくられたものなのでしょう? 
私が子どものころ見たカバヤの本は、もっと紙質の悪い、表紙絵が劇画調の「カバヤ文庫」でした。カバヤ文庫は、カバヤキャラメルについてくる文庫券を、確か50点集めて送ると1冊もらえるものでした。
カバヤ食品の会社や工場が岡山市にあったことで、倉敷市に住んでいた私やまわりの子どもたちは、新興のカバヤキャラメルになんとなく親近感を持っていました。
ところが、私を育ててくれた祖母は信念の人で、お菓子はリヤカーを引いて売りに来る行商のおばちゃんからしか買わなかったので、家にあるのはチャイナマーブル、ゼリービーンズ、おせんべいなどの袋菓子ばかりで、お店でカバヤキャラメルを買ってもらったことはありませんでした。
しかし、小学校の同級生で近くに住む、「ふたいとこ」のみねちゃんは年の離れた末っ子だったので甘やかされていて、カバヤキャラメルは買い放題、カバヤ文庫をたくさんそろえていました。2、3冊カバヤ文庫を持っていた人はたくさんいたかもしれないけれど、みねちゃんは桁違い、20冊くらい持っていました。


というか、みねちゃんの本棚にはほかの本はほとんどなかったので、読むより集めることに楽しみがあったのかもしれません。文庫券がたまると、リストから欲しい本が選べたカバヤ文庫は、1952年から54年までのたった2年の間しかつくられなかったみたいですが、それでも174作品もあったそうです。


ウィキペディアによると、カバヤ文庫は全国で、本に飢えていた子どもたちには熱狂的に迎えられたけれど、読み物に加えてマンガをつくったことで教育界から敬遠され、たくさんの在庫を抱えて、子どもたちに本を送ることを断念せざるを得なかったそうです。
確かに、漫画は子どもに与えるべきではない、悪いものと言われていた時代がありました。





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