2009年11月7日土曜日
食器棚
長いあいだ、木の水屋にあこがれていました。あの、扉が木でできていて、横桟なんかになっていて、旧家の台所の写真なんか見ると、でーんと置いてあるやつです。知り合いの骨董屋さんが、「23万円以上用意すれば、いつでも探してあげるよ」、と言っていました。うーんどうするか、決心がつかないまま、月日が流れていました。
あるとき、近所の骨董市で、手づくりの板ガラスが入った、きたない水屋を見つけました。木部は脂っけがなくなり、白っぽくぱさぱさになっているうえに、ひどく汚れています。上下2つに分かれるのですが、上部の上がゆがんでいて、ガラス戸がはまらないで落ちる状態でした。物置に長いあいだ突っ込んでおいて、変形してしまったのでしょう。また、上下にそれぞれ1枚ずつ入っている棚板は厚みが薄くて奥行きも浅く(板幅が狭く)、大きく反っていました。
「蔵から直接持ってきて、掃除もしてないから安くするよ」、と骨董屋は言います。どうしようか迷いましたが、美しいガラスに引かれて、4万5千円のところ、さらに5千円値切って買いました。
それから数年間、ざっと掃除した水屋は、反りを直すために重石を置いて、ビニールハウスの倉庫にしまったままでした。
建設中の家のダイニングの床を張り、水屋が納まる幅に柱を1本立て、食器棚を置く場所の準備が整った今年の春、久し振りに水屋を引っ張り出しました。ざっと埃を払い、水を掛けてよく洗い、乾かして、木部にはやすりをかけ、蜜蝋ワックスを塗りました。
薄くて奥行きがなく、反っていた棚板の替わりに、しっかりした棚板をつくり、真ん中でたわまないよう、足をつけました。また、棚板と上板のあいだと、棚板と下板のあいだに、新たに奥行きの浅い棚もつけて、収納力をアップしました。4段しかなかったものを8段にしたのです。
そして、お皿などを収納しました。奥行きがあるので、たくさん入ります。同じものを前後に入れたり、お皿類、小鉢類、片口、急須などと、似たものをまとめて収納したので、思ったよりずっと使い勝手がよかったのは幸いでした。
扉のガラスは、本当にきれい。まっすぐではなく、ゆらゆらとゆがんでいます。結果論ですが、どこに何を入れているか、一目でわかるので、木の扉の水屋より、よかったかもしれません。
ネズミのかじった穴なんかあって、使いものになるだろうかと危ぶんでいた4つの引き出しも、問題なく開閉します。それぞれに、テーブルクロス、ゴミ袋、テーブルナプキン、布巾類を入れています。
設計のときから夫は食器棚の上部を気にしていました。食器棚とそろえて仕切りをつくらないでいると、上部の空間が散漫になるのではないか、と言います。
「水屋の上に置くものを決めているの。そのままにしておいて」、と私。夫はしぶしぶ承知しました。
今、そこにはタイ、ビルマ、フィリピンなどのご飯入れ、つまりおひつを置いています。中には、ガムテープ、荷紐などが入っているので、飾りだけではなく、役にも立っています。
その上の梁は、種の入ったガラス瓶などが、よそからはみ出してきて、占領しています。
また、その前には、高いところに木を渡して、籠で編んだご飯入れ、パン入れ(もともとは煮干を入れるいりこじょけ)などがぶら下がっています。
自制しながら暮らしているのですが、ものがすぐに増殖しがちで、困ったものです。
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