布は、織機に経糸(たていと)を張っておいて、それに緯糸(よこいと)をくぐらせながら織ります。
そのとき、巻いた緯糸を収めて、経糸をくぐらせる道具を杼(ひ、シャトル)といいます。
杼という、同じ目的を持った道具でも、糸の太さ、糸の材料、織り方、織りあがったときの布の幅、杼として手に入れられる材料などの違いで、いろいろな形のものがあります。
そしてもちろん、地域によっても、いろいろな違いがあります。
これは、ラオスやタイ東北部の杼です。カンボジアでも、似た杼を使っています。
木綿や絹の細い糸で、絣のや紋織りの布を織るのに使います。
チークやその他の硬い木でつくられ、厚みがなくて、長いのが特徴です。
一番上の小さいのは骨董屋で買ったものですが、地機のような、幅の細い布を織るのに使われたものでしょうか。
その他の杼は、広幅の布を織るためのものです。
私は、若いころ織物を習いました。織物の先生がノルウェーで織物を学んだ方だったので、織物道具は、ほとんどがノルウェーのものでした。
織機、紡ぎ車など、機能的で材質も形も美しく、心楽しく織物ができたのですが、道をそれてしまいました。引退した今も、なかなか織機に向かう時間を見つけられないでいます。
傷みやすい先端や、糸の出る口は金属で補強してあります。
そして、裏には車がついて、滑らせ易くしてあります。
2 件のコメント:
インドネシアの杼も、春さんの写真のものとそっくりです。
大学でテキスタルの授業を選択しているのですが
毎週プロの方が来て、実際に織る所を見せてくれています。
きっと織りの構造は、世界中同じようなものですね。
セキネさん
織物の杼は、基本的には似ています。細いところを、スムーズにくぐらせるものですから。
ところが、全然似てない杼もあるんです。また、おいおいアップしていきたいと思っています。
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