2016年2月8日月曜日
木彫りのクマ
かつて、どこの家にも一つや二つはあった、アイヌの木彫りのクマ、今ではどこの家の茶の間からも姿を消してしまいました。
北海道在住ののらさんは、捨てられたりしてなくなってしまうのを惜しんで、最近、木彫りのクマを集めはじめました。
骨董市のまことさんの店先に大小の木彫りのクマが置いてありました。
大きい方は鮭をくわえていません。
小さい方を手に取って、顔を見ました。のらさんはクマなら何でもいいというわけではなくて、好みがはっきりしています。とくに目が気に入らないとだめだと言っていました。私の見たところ、よい顔をしています。
「それ、あげるよ」
とまことさん。
「えぇぇ、いいの?」
「いい、いい」
いただいて、ほくほくと歩いていると、やじまさんとふぢこさんに会いました。骨董市で出会ったのは初めてです。
さっそく、
「これもらったの」
と見せると、
「うちにもある」
「うちにもあった。でも顔はこんなにスマートじゃなかった」
と口々に言います。
そういえば、クマと言うより犬のような顔をしています。
「クマってかつてはお土産のワースト一位だったのよね」
それは知りませんでした。
でも、どこの家もクマの置物であふれかえっていたのは確かでした。
家に帰ってよく見ると、鮭の口の先が欠けていました。
かけたところをボールペンで黒く塗りつぶしてあるので、先の持ち主が欠いたもののようです。
「欲しがりさえすればより取りみ取りなのに、のらさん、欠けたものなんか欲しがらないだろうなぁ」
クマの顔を見ながら、
「困ったもんだねぇ」
とつぶやいています。
登録:
コメントの投稿 (Atom)
2 件のコメント:
欠けていてもかまいません、気に入れば。なかなかよいんじゃないですか。
のらさ~ん
コメントできたんだ!おめでとう(^^♪
って、別におめでたくないか(笑)。お久しぶりです。
犬、もとへ、クマはなかなかかわいいです。さっそく送ります。
コメントを投稿