2017年6月13日火曜日
編んだ輪っか
アフリカ各地では、底の丸い焼きものの方が、底が平らなものより一般的です。
置くところが、平らなところばかりでないとしたら、平らな底より丸い底の方が、使い勝手がずっといいからです。
底が丸いと、石を三つばかり置いた竈(かまど)に乗せやすいし、原っぱで開かれる定期市で、お酒など液体を入れた壷を、どこにでも水平に置くことができます。
そんな底の丸い壷や甕を、私はドーナツのような形をしたものを敷いて、安定をよくしています。というのも、我が家の室内には、平らなところしかないからです。
中でも、年月を経て一番貫禄のついた輪は、ガーナに住んでいた時に、クマシの市場で買ったものです。
日曜掃除のとき、そんな輪の埃を掃いながら、
「いったい、何でつくったんだろう?」
と、ふと、気になってしまいました。これまで、何でできているのか、気を留めたこともなく過ごしてきたものでしたが。
ヨシのような草か、あるいはヤシの葉だと思いますが、わかりません。クマシはカメルーンから伸びた熱帯多雨林の中にある町でした。
これも西アフリカ(たぶん、ブルギナファソ)の輪ですが、こちらは若いもの、十年ほど前に日本で買いました。
あめ色になったガーナの輪の、元の色がどんなだったか、古いことなので覚えていませんが、両方は、同じような材料でつくられているのかもしれません。
ガーナのヤシの葉の籠と比べてみても、輪は茶色が濃くなっているので、やはり、イネ科の植物なのでしょうか?
もっとも、ガーナの籠の巻き編みの芯は、ヤシではないようにも見えます。
これもアフリカ(エチオピア?)の輪、ギニアグラスのような、細い草でできています。
これらは、鍋敷きに見えますが、じつは鍋敷きではありません。
重い荷物を頭に乗せるとき、頭の当たるところが痛くないよう、この輪を乗せてから荷物を乗せるための道具なのです。
この二つ、右は頭に乗せる輪ですが、左はどうだったでしょう?
右は韓国のもの、左は韓国のものだったか、あるいは日本のものだったか忘れてしまいました。
裏返すとこんな感じ、つくり方がよく似ています。
右も左も、材料はスゲです。
そして、同じような輪だけれど、稲わらでつくられた、日本の鍋敷きです。
頭に乗せる輪と、鍋敷き、そっくりなのが、なんだか面白いところです。
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2 件のコメント:
すごい!万能ですねー、編んだ輪っか。平らじゃないもの(壺だったり頭だったり)を安定させるんですね。普通の顔してスゴイやつに見えてきました。中の芯も植物なんですよね?
日曜掃除、目からウロコです。春さんちは見せる収納がいっぱいだけど、埃とかどうしてるのかな?と思っていたのです。掃除の時に「愛でる」があると、それは「やらなきゃいけないこと」じゃなくて「楽しみ」ってことなのですね。モノに対する愛情が深い春さんのようにはいかないと思いますが、私も少し愛でてみようっと。
hiyocoさん
そうなんです。たかが丸い輪っかにも、いろいろな歴史とドラマが...(笑)。中の芯も同じ材料を使っています。
たぶん、その土地では、生活に必要な大切な植物で、勝手に採ってはいけないとか、いろいろな決まりがあったものかもしれません。
掃除は面白いでしょう?楽しまなきゃ続かないので、楽しむようにしています。「今日はこの部屋」とか「今日はこの棚」というのもありですが、「今日は背負子」、「今日はお弁当箱系」というのも、あちこち散らばっていれば確認したり、一か所に集めてみたり、いろいろ楽しめます。
でもそうやっていても人形なんかは相応に年取ります。そしたら、それも味かなと思うことにしています。
あと、忘れていたものが出てくることも結構あって(笑)。棚ではないけれど、今度布の引き出しも片づけなくっちゃ。いろいろ行方不明になっています。
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