お地蔵さまの前垂れや頭巾を縫ったのは、二年半ほど前のことでした。
すっかり色あせたお姿を通りすがりに見るたびに、裏返すとか、新しくつくるかしなくてはと思うのですが、なかなか重い腰が上がりませんでした。
赤い布は、鮮やかな色を保つのはわずかで、あっというまにすっかり色あせてしまうということが、あまり気が乗らないことの理由の一つだったかもしれません。
やがて、赤も混じっているプリントでつくったらどうだろうと、思いつきました。
これなら退色が目立たないかもしれません。
前はミシンで縫いましたが、どちらかといえばミシンを出したり仕舞ったりするより、手で縫う方が楽です。そこで、朝のひと時、テレビを見ているときだけ、手を動かして、手縫いにしてみました。
つくりはじめてから、ほかの場所のお地蔵さまの近くを通るときは、ついつい前垂れや頭巾が気になって、見てしまいます。
プリント地でよかったんだろうか?
やっぱり、お地蔵さまには赤が似合います。とくに新しい時は、見ていても気持ちいいものです。というわけで、プリント布だけでなく、残っていた赤い布も使うことにしました。
以前、前垂れは布を二枚合わせにして、裏表使えるようにしましたが、結局裏返しにはしなかったので、一枚でつくります。
前垂れも、紐は赤にしました。
ある日、つくりかけの布一式を入れている籠の中で、トラがくつろいでいました。
そのため、中に入っていた頭巾は「トラ・アイロン」で押されて、くっちゃくちゃにしわがついてしまいました。ほかのものはアイロンがかけられますが、頭巾はちょっと無理です。
トラに前垂れをかけてみました。
モデルになってもらおうと思ったのに、すっかり肝をつぶして、座ることもできません。
お盆には間に合わせたいと思っていたのですが、なんとか間に合いました。
やっぱり赤いのもつくってよかった、プリントばかりだったら、きっと寂しかったことでしょう。
たった一年で色褪せてしまうのは赤布の欠点ですが、もしかしたら、忘れずに手をかけてあげて欲しいということなのかもしれません。
古いものは、裏には十分色が残っていました。
ただ、蜘蛛が巣をつくったりして汚れているので、裏返してそのまま使うのははばかれます。だからといって、持ち帰って洗濯していると、お地蔵さまたちが前垂れと頭巾なしで過ごす日が出てくきます。
それもできなかったなぁとも思います。
ともあれ、これで安心してお盆を迎えられます。
2 件のコメント:
ほのぼのとする話で昔からある「塞の神」も
壊してしまう時代ですからね、
そちらも旧盆なのですね。
家内の里では伝統ある「六夜待ち」の行事が
いまだに続いています
昔は男女交際の場です。
昭ちゃん
直売所には急に、お墓参り用の花が増え、それがまた飛ぶように売れています。
その昔は、盆踊りもお祭りも、確かに男女出会いの場所だったのでしょうね。ご先祖様は帰ってくるは、ドキドキする人に出会えるはで、やはり盆と正月は最大のイベントだったのでしょう(^^♪
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