骨董屋さんたちは、多少の雨なら何とかなるけれど、風はとっても困るのだそうです。というわけで、来たる風雨を予想して、いつもはシート、台、テントなど並んでいる場所にみんな車を乗り入れていました。車から荷物を降ろして並べている骨董屋さんはちらほら、荷物を全然降ろしていない骨董屋さんもたくさんいて、会場はまるでただの駐車場のようでした。
といっても、早朝はよいお天気だったので、のぞいてみました。
まことさんもちょっとだけしか荷物を広げていませんでしたが、その中にお土産ものがありました。
以前、同じものを持っていたのに、いつのまにかなくなってしまっています。
裏から見ると、雪靴やわら草履と同じつくりであることがわかります。
雪靴と言えば、赤や絣の布を配したわらの雪靴が、両親の家にもありました。小さな子どもがはけるくらいの大きさから、小さい小さいミニチュアまで、一昔前には、たくさんの家で、茶の間にわらの雪靴を置いていたような気がします。
山形県笹野一刀彫の鶏たち。
巣篭もりの鶏は持っていますが、これは持っていません。二羽とも同じものだと思っていましたが、家でよく見たら、雄鶏と雌鶏のつがいでした。
ソテツの実の豚たち。
ソテツのお土産物をよくつくる、宮崎でつくられたものでしょうか。とっても、よくできている、哀愁漂う豚たちです。
おもちゃのかるい。
かるいは宮崎県日之影のものだから、これは宮崎でつくられたものに間違いありません。
長さ2センチほどのわら草履はよくできていますが、かるいの方は、もっと美しくつくれるのではないかしらと思ったりして、買うかどうか迷います。
もっとも、自分でつくるとなると、小さいものだから、ひごの厚さと太さのバランスが難しいことでしょう。
まことさんが、
「それも百円だよ」
と、かるいで悩んでいることを笑います。
「じゃあ、これもいただくか」
というわけで、七点まとめてお買い上げです。
「お母さん700円だから、お釣りあげて」
と、お連れ合いに声をかけるまことさん。
「えっ、そんなにいただいていいの?」
いつもは値段には一切かかわらないお連れ合いが、そう言いながらお釣りを500円くれたので、丁重にお返ししました。
「その、200円がたいせつなんだよ」
「そうそう」
「あはは」
その日、犬張り子のコレクターのがんこさんには、大きな大きな犬張り子を二つ見せてもらいました。
一つは江戸張り子、一つは会津張り子で、会津張り子は参勤交代で江戸に行った人が見てきて会津犬をモデルにつくったものだとか、目が赤い、古くてとても珍しいものでした。
「こんな日に、たいせつな張り子を持ってきたりしていいの?」
「だから、車の中にしまっているじゃないですか」
その日は、昼近くになると大風が吹いてきて、午後からは雨も降ってきました。
私は楽しかったけれど、皆さんちゃんと、早くから起きて、遠くまで来た甲斐があったのでしょうか?
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