2015年3月27日金曜日

八郷暮しの実験室で

 
ジンバブエのジョンの、八郷滞在最後の訪問先は、桜のつぼみもほころんでいる、八郷暮しの実験室でした。
暮しの実験室には七人の専従(二名は研修生)がいますが、おりしも、女子高校生と引率の先生たち12人の体験学習受け入れや出荷などで大忙し、手が足りなかったので、通訳がてら私も残って,、一緒に見学させていただきました。
何度も来たことがあるのに、畑や畜産場などを見せてもらうのは初めてでした。
  

豚はバークシャーの種豚や、ミッド・ヨークシャーの母豚、その子どもたちの肉用の豚などいましたが、おもしろかったのは、ヴェトナムあたりの在来種らしい豚が、勝手にやってきたという話でした。
ある日、雄雌二頭、豚舎の周りでうろうろしていたそうです。
Sさんの話では、ミニ豚ブームが過ぎ、行き場のなくなった豚をブリーダーか誰かが近くの山の中に捨てたところ、豚の匂いにつられて、二匹が暮しの実験室まではるばるやってきたのではないかということでした。ちょっと小型の、いかにも武骨な豚です。
そのヴェトナム豚とミッド・ヨークシャーをかけ合わせると、生まれた子豚の中には、右にちらっと見えているような白黒ぶちの豚が混じるそうでした。

日本の法律では、豚の屠殺は定められた屠殺場でしかできません。そのため、屠殺は外注していますが、豚は丸ごと引き取って、暮しの実験室の加工室で加工するとのことでした。
豚の顔の皮を食べるのが好きな私は、顔をどうしているのか関心のあるところです。
ところが、Sさんのお話では、どうやっても顔の毛の処理ができない、抜けないし剃っても毛が残るので、残念ながら皮ははいでいるとのことでした。
タイなどでは、豚の顔を皮ごと茹でて食べます。そんな地域では、毛を処理するのに薬品を使っているのではないかとのことでした。
どんな薬品を使っているのでしょう?
全然知りませんでした。 


健康そうな大きい山羊は、クズ小麦を蒔いて出た芽をもらって食べています。


ポニーもいました。
 

トマト用のハウスでは、春菊、ホウレンソウ、レタス、小松菜などが元気に育っていました。


南アとジンバブエにパーマカルチャーの農場を持っているジョンが特に関心を示したのは、かつての湿田に掘られた池でした。
フナなど魚を捕まえて来て放流する暇がないとはSさんの話ですが、魚はすでにいるようで、オオサギやらカモが楽しく生息していました。
用心深いオオサギは、私たちが近付いたため、後ろの松の木の上に逃げているところです。


次の日が出荷だとのこと、二泊三日の体験学習にきている高校生たちは、サトイモを洗っていました。
その横で、ジョンと私は、ジャガイモの芽を取って売りものになる大きいのと、ならない小さいのに分けたり、人参をクズとそうでないのに分けたりのお手伝いをしました。
ジョンが、引率の先生に、生徒たちは農民になるつもりかと聞きましたが、先生のお話では、たぶん誰も農民にはならないだろうとのことでした。

 
高校生たちの一部は、小麦粉をこね、伸ばして、さらに思い思いにトッピングして、ピッツァつくりに取り組んでいます。


ジョンも参加して、つくりました。


ジョン作のピッツァ。


燻製の豚肉は暮しの実験室でつくったもの、他の材料もほとんどここでつくったもので、トマトソース、マヨネーズ、ホワイトソースなども自家製です。


さて、ピッツァは20個、もっとできたでしょうか。


それを石窯で焼いてもらいます。
ガラス扉の奥は加工室、肉を切り分けている人の姿が見えます。


石窯の上には、屠った豚たちの頭がい骨が置いてありました。
一年に一度、まとめて焼いて供養しているそうです。


ここでは、石窯の中の薪は取り除かない方法で、ピッツァを焼いていました。


ほどなく、焼き上がりました。
特においしかったのが、薄切りのレンコンのトッピングでした。しゃりしゃりしておいしい!
菜花+マヨネーズ、ジャガイモ+燻製肉など、どれも美味でした。


二泊三日の体験ツアーの女子高校生たちも大満足、明日には帰るそうです。


昔はいざ知らず、今では、スマホで写真を写すのがみんなの共通言語です。


さて、グーグルマップはすごい!
ジョンの南アフリカのプレトリアの農場、ジンバブエの農場、彼の生家など、全部たちどころに見ることができました。
「敷地のこのあたりに、池を掘りたいんだ」
そんなところまで、しっかり見えます。


ジョンの小学校も見ました。家から8キロくらいの位置にあり、毎日歩いて通ったそうです。
グーグルマップさえあれば、世界のどこに行っても寂しくない、でしょうか?




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