2017年7月23日日曜日

足温ネット

長野県飯田での、自然エネルギーの見学に続いて、東京江戸川区の「足温ネット(足元から地球温暖化を考える市民ネットえどがわ)」を見学してきました。
足温ネットは今年設立二十年を迎える市民グループで、資金を集めて電気をつくるだけでなく、雨水タンク設置など、環境にやさしい事業を行う人に融資をする、市民ファンドを運営するなど、多面的な活動をしています。

 
これは、足温ネットの「えど・そら発電所」2号機、屋上にソーラーパネルが乗っている、介護サービスも備えた、老人用賃貸住宅「ほっと館」です。


「ほっと館」の前のアパートに上らせてもらって、ほっと館をのぞんだところです。
案内して下さった、代表理事のならさんは、田舎に巨大なソーラーパネルを設置して、ロスの多い遠くに運ぶのではなく、東京に住むなら、できるだけ東京でエネルギーをつくればいい、と言います。
今、八郷だけでなく、田舎にはソーラーパネルが外部者によって設置され、 森林伐採、土壌流出、景観破壊など、様々な問題が出てきています。


こちらは3号機、駐車場の二階部分につくられたものです。
以前、このあたりは中小の工場が立ち並び、駐車場の需要が高かったのですが、工場は海外へ行ったのか、近年はマンションや戸建てが多くなり、駐車場の需要が減ったのだそうです。
近所に迷惑にならないように、光らないソーラーパネルを使っていました。
 

次に、見学の目玉である「オフ・グリッド」を見に、グループの人たちが多目的集会所として使っている建物に行きました。
オフ・グリッドとは、電線網を使わないシステムです。
電線から送られてくる電気を全く使わず、屋根に乗せてあるソーラーパネルだけで、電気をまかなっていました。


この家は、もともと借家として使われていましたが、最後の店子が出たとき、ブレーカーを降ろして電源は切ってあります。


しかし、6枚のソーラーパネルを使って、直流を交流に変えるインバーターや蓄電池を使うことによって、この家の電気をまかなっています。
つまり、ここでできた電気を、ここで使っているのです。
これは、集会所という一般家庭ではないにしろ、蓄電池を増やすなどして、一般家庭にも応用可能です。

エネルギー問題を考えるとき、私の関心は、蓄電池さえ性能が上がれば、個々人の単位で電気をつくったり使ったりするのがいいのではないか、そして歴史的にその方向に移行するのではないか、ということでした。
飯田に行った時その質問をしたら、土地柄か、みんなでやることに意義があると言われました。
共同でつくる大きいエネルギーがあってもいい、けれど個人でつくる小さいエネルギーがあってもいいと思っていた私は、足温ネットを訪ねて、方向性が見えてきた感じがしました。
中間としては、電線網とオフ・グリッドの併用も考えられます。

江戸川では、人々から不要なものを集めてそれを売って資金にする「げんきりょく(元気力)発電所」で資金を集めたり、ほかにもいろいろ面白いことをやっているようでした。







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