のらさんの『のらつうしん』で、「せとうちたいこさん」の存在を知りました。
「えっ、タイが立っている!」
素敵な絵だったので、一冊買ってみました。
『せとうちたいこさん デパートいきタイ』(長野ヒデ子さく、童心社、1995年)で、たいこさんが4匹のこだいのお母さんと知りました。
海の中に、デパートのチラシが落ちてきて、たいこさんはデパートに行きたくなり、行ってみます。
いつごろのデパートでしょう?
外から見たショーウィンドウの様子、必ず一階にあった化粧品売り場、
靴売り場、アクセサリー売り場、エレベーター、家具売り場、ギフト受けつけ、結婚衣装売り場、着物売り場、おもちゃ売り場、大小の特別企画展、本売り場、食堂などなど、
「あった、あった」
どこもかしこも、懐かしい姿をしています。
かつて、着物売り場は広く、洋服売り場もただの一コーナーにすぎませんでした。
ところが、着物売り場は縮小され、やがてなくされ、家具コーナーや本コーナーも姿を消してしまいました。
デパートの食堂は、家族連れにとって外せないところでしたが、屋上遊園地とともに、これもなくなってしまいました。
たいこさんはデパートに大満足でしたが、地下の魚売り場で魚を勧められ、仰天して海に逃げ帰り、やっぱり海が一番いいなと思います。
さて、本屋に行く楽しみはすっかりなくなりましたが、探している本がネットで、しかも古い本なら安く手に入るようになったことは、嬉しいことです。
せとうちたいこさんの本をもう一冊買ってしまいました。
『せとうちたいこさん えんそくいきタイ』(長野ヒデ子さく、童心社、1999年)です。
こだいちゃんたちが遠足に行く日、たいこさんも遠足に行きたくなります。
そして、たいたろうさんとこだいちゃんたちを送り出したあと、電車に乗って出かけます。
大道芸を見ていたたいこさんは、マジックショーに飛び入り、身体を真っ二つに切られそうになり、一目散に逃げ出して、こだいちゃんやたいたろうさんが帰る前に海に帰ってきます。
「やっぱり海はいいなぁ」
と思っているたいこさん、たいたろうさんには内緒で出かけていたようでした。
そして、また買ってしまいました。
『せとうちたいこさん わらべうたうたうタイ』(長野ヒデ子さく、童心社、2007年)です。
こだいちゃんは7匹に増えていました。
子守にお料理、洗濯に買いものと、たいこさんは大忙しです。
こんな忙しい生活から抜け出してゆっくり休みたいと、今度はタコのたこえさんと一緒に、こだいちゃんたちに送り出されて、温泉にでかけます。
たいたろうさんは毎日働きに行っているようですが、留守の間はこだいちゃんたちの面倒を一匹でみているに違いありません。
途中で芋やみかん、和尚さんやタヌキ、天狗などいろいろなものに遭遇し、わらべ歌を歌いながら温泉にたどり着いたたいこさんとたこえさん、温泉でタイ飯とタコ飯が出て、海に逃げ帰ります。
やっぱり海が一番のたいこさんは、しかし懲りていません。
「また出かけターイ」
と言っています。
4 件のコメント:
温かみのある楽しい絵で、読み聞かせしやすい、リズムのある文ですね。
遠足に行きたくなって子供たちについていくのかと思ったら、一人で行くんだーって笑っちゃいました。「さてはまた」と呟くたいろうさんも可笑しい。子育てしつつも自分のやりたこともする、今どきのお母さんって感じです。
hiyocoさん
あの背中から離れない赤ん坊を置いて、たこえさんと行っちゃうところ、たいこさんは確かに今どきのお母さんですね。でも、長野ヒデ子さんは1941年生まれの方、ご縁があってのらさんのお子さんたちの出身校に、昨年朗読にいらしたのだそうです。
ご縁というのは長野ヒデ子さんのお友だちに、藤原吉志子さん(故人)という彫刻家の方がいらして、その小学校に素敵な彫刻をつくられている、それを見がてら学校の記念行事にいらしたようでした。
その藤原吉志子さんの彫刻はとっても素敵です。いつか見たいと思っていて、一つは横浜市中区の商工中金の横浜支店前に建っているので訪れたいと思っているのだけれど、いつになるやら、hiyocoさんの方がずっと近いので、もし近くに行くことがあったら見てください(笑)。
わぁーいいないいな、3冊も買っちゃったんですね!わたしは『デパートいきたい』しか持っていません。
のらさん
いいでしょう!!!ネット古本のおかげです。
でも、『デパートいきたい』が最高です。デパート(百貨店)というものがどんなものだったか、思い出させてくれました。
色鉛筆で描いた優しいタッチが素敵です。子どもが小さいころ(1970年代)は絵本には目配りしていたんだけど、長野さんの本は比較的新しいためか、全然知りませんでした。
長野さんの『おむすびころりん』も欲しいなぁと思ったんだけど、これ以上いい年をして大型本を増やしてどうすると、懸命にも思い返して買いませんでした(笑)。
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