スペイン風邪のパンデミックは1918年から1920年の2年間続きました。約100年前のことです。
当時は第一次世界大戦(1914-18年)の末期で、世界中から傭兵が集められたことがスペイン風邪の、世界中への拡散を促しました。
戦局に影響するのでスペイン風邪の感染状況は参戦各国とも伏せていましたが、スペインによって詳しい報道がされていたので、スペイン風邪と呼ばれました。
日進月歩の医療体制は、100年前と今とでは大きく違いますが、マスクの重要性は当時も今も変わらないようです。
上の写真は、1920年初頭に撮影され、のちに彩色されたもの、女子学生たちはマスクをして通学していました。
シアトルの警官たち。1918年 |
トランプ時代のアメリカでは、マスクをつけることは弱さの象徴などと言われてマスクをつけない人が多くいましたが、かつてはアメリカ人もマスクをつけていました。
1918年にサンフランシスコでは、全米に先駆けて「マスク着用義務条例」が出されています。
マスクをしなくてはならない生活が、永久に続くのではないかと思ってしまう昨今ですが、スペイン風邪が収まったとき、みんなマスクを脱ぎ捨てています。私たちもマスクを手放す日が来ることを、信じてよさそうです。
新型コロナウイルスの陰に隠れて、大きな話題とはなりませんでしたが、昨秋から今年にかけて、日本各地で高病原性鳥インフルエンザが多発しました。とくに千葉県では鶏の飼育規模が大きいので被害鶏数も多く、450万羽が殺処分になりました。
現在は、鳥から鳥、鳥から人への感染はあっても、人から人への感染は確認されていません。しかし将来、鳥インフルエンザのパンデミックが起こる日が来くるような気がして仕方ありません。
高カロリー配合餌と抗生物質漬けでしか生きられないように品種改悪されたブロイラーの促成飼育をやめ、自然の細菌がいっぱい棲むところで、安全な飼料で育った鶏肉や卵を生産することでしか、鳥インフルエンザの発生は抑えられないのに、現実はもっと消毒を丹念にするという方向で解決しようとしています。
2018年当時、日本も加盟する国際獣疫事務局(OIE、本部はパリ)は、家畜の飼育環境の国際基準に「アニマル・ウェルフェア」を反映させようとしていました。ところが、金属製のバタリーケージに入れて積み重ねる「ケージ飼い」が主流の日本では、1羽のスペースは狭く、OIEの基準案が通ると施設の大幅改修が必要な上、現在のように効率的かつ大量に卵を生産することができなくなるので、大手鶏卵生産会社元代表はそれを阻止しようと、吉川貴盛元農林水産大臣に賄賂を渡し、元大臣はそれを受け取ったとして、今年1月、東京地検特捜部に収賄の罪で起訴されています。
消費者は、卵の値段が何十年も据え置かれていることに疑問を持ち、値段が高くても安全に飼育された卵しか食べないという知恵を持たなくては、将来、鳥インフルエンザのパンデミックが避けられない気がしてなりません。
整体師のKさんちの鶏 |
人も鶏も、幸せに生きたいものです。
4 件のコメント:
「マスクをかけぬ命知らず」の車内のイラストを見ると、皆黒いマスクをしていますが、かつては黒いマスクも普通に使われていたのですね。コロナ騒ぎの少し前、黒いマスクがチラホラ見られる様になって来た頃、その姿に遭遇するとギョッとしたものです。今はすっかり慣れましたが、短期間で慣れるものなのだと実感しました。
卵ですが、ささやかな抵抗ながら、価格には目を瞑って大地の会の一個58円の平飼卵を買っています。
何十年も前から、「卵の会」に所属して自然卵?を食べ続けている知人もいます。
全ての消費に平飼卵が使われる様になったら、卵を原料にする加工食品などもかなり価格が上がるのでしょうね。ビーガンにはとてもなれそうにはありません。
おはようございます。
父が子供だった頃の話ですが、近所の人にくれてやった雌鶏が卵を産む時だけ元の我が家に帰って来たそうです。近所の人は餌をやってるのに卵は貰えず、父はその事を正直に話して、雌鶏を放し飼いにしないよう助言したそうです。
reiさん
黒いマスクの方が先にあって、後から白いマスクが出てきたと聞いたこともありますが、黒と白では形が違いますね。
私も小さいころ、救急箱にある白いマスクは知っていましたが、黒いマスクは見たことがありませんでした。
実は、同じ地域にある「八郷暮らしの実験室」の前身は「卵の会」です。我が家ではいつもはGさんの卵を食べていますが、足りなくなった時は「暮らしの実験室」に行って買ってきます。東京に住んでいたときは成田のKさんの卵をいただいていました。と言っても、外の安い店で外食すれば鶏肉やら卵やら、どんなものをいただいているかわからなくなりますよね。夫は特に厚焼き玉子とかかつ丼が大好きですし(笑)。
かねぽんさん
恩を忘れないめんどりでしたね(笑)。
Kさんちの鶏は、どこかへ行ったりしないでちゃんと自分で小屋に入ります。もちろん夜はタヌキとか狐(猫も?)がいるので鶏小屋にしっかり入れているようです。
私は、子どもたちが小さいとき住宅地でチャボを飼って、朝早くに騒がれて以来、鶏は飼っていません。このあたりでは飼っている方が多くて、いいなぁとは思いますが、なかなか。
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