2021年3月8日月曜日

軒桁づくり


切妻の家の北側の垂木は先週、鉋をかけて母屋(もや)に乗せました。


南側は、設計変更して梁を伸ばしたので、梁の先に乗せる軒桁をつくらなくては、垂木が乗せられません。
先週いっぱい、その加工をしていました。


幅9センチ、高さ18センチの軒桁材の、下側には梁に乗せるための切り込みを入れ、上側には垂木を乗せるための切込みを入れます。
もともと、軒桁なしの設計だったので、垂木は屋根の重さに耐えられるよう、たっぱ9センチのものを、1尺おきに入れることになっていました。そのため、切り込みも通常(1尺5寸飛ばし)より、たくさん刻まなくてはなりませんでした。


3メートルの軒桁材は、5本つなぎます。
小さい材ではないので失敗は許されないのですが、じつは失敗した個所があります。思い込みで仕事をすると、必ず間違えるので、何度も図面や現場に当たったのに、やっぱり間違えた。でも何とか回収しています。


軒桁の長さは、全長約14メートルです。


足場は狭く、軒桁は重いので、梁の上に軒桁を乗せるのも一仕事ですが、今日また、助っ人Kさんが来てくれます。
今日は軒桁を乗せ、それを留めてから、垂木を乗せます。垂木は15センチのビスで、母屋や軒桁に留めます。内装ビスは12センチ以下、15センチのビスを使うのは、垂木を留めるときだけです。

追記:


まだ並べてあるだけですが、南側も垂木が全部乗りました。







 

6 件のコメント:

af さんのコメント...

手刻み、愛着が増しそうです。ですが、力仕事は大変ですよね。
今週の学校の施工の授業で木工事の単元があったんですが、金物ばっかり覚えさせられて、仕口はろくろく教えません。教えられる人がいないっていうことなんですけど、伝統的に行われてきた仕口が伝承されないって、悲しいなぁって思いました。

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akemifさん
材をつなぐとき、蟻継ぎしようかと思ったのですが、「そんな時間はないだろう」と、「ボルト継ぎ」にしてしまいました(笑)。頭ではいろいろわかりますが、伝統的仕口となるとハードルが高いです。
もともと、軒桁などはつながないで長い材を使うのが基本だと、仕口の本には書いてあります。しかし、3mの材でも持て余しているのに、14mの材なんて、あったとしてもどう扱うの?現実と理想の世界は限りなく遠いです(笑)。
それにしても、昔の、「うちの息子はちょっと頭が悪いので大工にでもしようかと思いますが」という身の上相談があって(朝日新聞?主婦の友?)、回答は「お母さん、頭が悪いと大工はできませんよ」というのを思い出してしまいます(爆)。

af さんのコメント...

身の上相談の話、爆笑してしまいました。なんで、大工ってそのような誤解を受けているのでしょうか。
大工といってもいろいろですよね。
たとえば、前にもお話いただいた、リヤカー一台分の木でつくる家をつくる大工と宮大工なんて、全く別次元ですよね。
業界としては大工を育成しようとしているけど、職人文化である大工の世界に、今の平等・自由で育っている世代が馴染めない(=耐えられない)という話もありますよね。
今の画一化した教育や評価、みんな高校・大学に行って共通テストの点数で順位をつける、みたいな大雑把な教育の弊害なのかなぁとか思ったりしてます。春さんちのお孫ちゃん、たけちゃんが言葉を教わらないまま、どう成長されるのか興味津々です。

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akemifさん
若くてもこだわっている人、数は多くはないかもしれないけれど、いると思いますよ。
茅葺き職人さんも結構若い人が多いし。
ただ、20代で新潟県に定住して半農半林で生計を立ててきたIくん(昔熱帯林伐採の反対運動をするNGOで働いていた)の本を読むと、Iターンを目指す人たちは、とてもやりたいことが狭くて、炭焼きだけしたいとか、林業だけに関心があるとかで、もっと農業林業いろいろやることを考えたらいいのにと書いてあったのが、さもありなんとも思うし、印象的でした(笑)。

rei さんのコメント...

若い大工は口を揃えて、刻みを学びたいけれどその機会が無いと言います。請け負うのはプレカットやプレファブばかりですから。

知人の30代の女性から久しぶりにメールが届いたと思ったら、京都美山で茅葺きを学んでいたとのこと。漆職人にも興味を持っていたのですが、茅葺職人の卵になっていました。

東京の檜原村で(株)チェーンソーズを起業して、木材の用途を広げながら林業を営んでいる若者もいます。

東北の花巻にオープンした「花巻おもちゃ美術館」は地元の木材業者が運営しています。社長は若い3代目で、経営者としてのしっかりとした考えを持ち実践しています。

頑張っている若者たちに出会うと嬉しくなります。

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reiさん
同感です。そんな若い人たち、私の周りにはいっぱいいます。
伝統工法でやっていらっしゃる大工さんの中で、お弟子さんも取られている方、かなりいらっしゃると思いますよ。耕木社の阿保昭則さんも、最初普通の大工さんの下で大工をはじめたのち、伝統工法の大工さんを探して、弟子入りし直されています。その当時よりネットが発達した今の方がお師匠さん探しはずっと楽だと思われます。
数年前に花巻に行ったのに、「花巻おもちゃ美術館」に行かなかったのは残念ですが、遠野の竹細工屋さんで古い花巻人形をたくさん見せていただきました。