2024年2月13日火曜日

『モンスーン』


『MONSOON』(Steve McCurry著、Thames & Hudson、1988年)という写真集があります。
久しぶりに開いて、その写真の1枚1枚のダイナミックさに興奮してしまいました。


雨除けに使われている籠編みの笠には、目が行ってしまいます。
これはネパールのポカラの近く、二つ折りの笠は、額に引っかけるようにできています。


やはりポカラ近郊のダムとの説明があります。
水を利用する目的のダムなのか、水の流れを緩やかにして土砂流出を防ぐチェックダムなのかわかりませんが、大変な労力をかけて石を積んでいます。


ネパールの二つ折りの笠は、横にしても使えるようです。
目が粗すぎますが、油紙のようなものを挟んでいるのでしょう。


バングラデシュの、雨の中の茶摘みです。
折った笠と丸い笠、どちらが雨除けにより効果的かと思ったりしますが、その地域の雨の降り方や、山がちとか平らとか地形にもよるのでしょう。


これもバングラデシュ、洪水で亡くなった人の葬送の列です。


インドネシアのジャワ島、豪雨が運んできた火山灰に押し流されて、跡形もなくなった我が家のあった場所を呆然と見ている子どもたちです。
かぶっているのは笠ではなく、普通の籠のようです。


この時の火山灰を運んだ洪水は、家も押し流しましたが、田植えが終わったばかりの田んぼも台無しにしてしまいました。


雨季に雨が降れば冠水するのは想定内のこと、慌てるでもなく平然ととパンを売る人は、西インドの人です。


北インドの洪水。豪雨の後、道路が冠水したものです。
これくらいの冠水は、プノンペンで何度も経験しました。
川べりのカフェで食事したりお茶を飲んだりしているうちに土砂降りになったら、雨が止んだ後、10分弱歩くだけで帰れる我が家への道の途中がいつも冠水しました。
水は行き場がないので、数時間経たないと引きません。水は膝までくらいなので歩けないことはないのですが、たいていはリキシャをつかまえて乗せてもらいました。リキシャの運転手さんがペダルを漕げるくらいの深さのことも、漕げないほど深いときもありましたが、ときには座面まで水に浸かりそうになるほど深いこともありました。
土手と冠水するあたりは、雨が降らないと気づかないほどの高低差ですが、その昔、冠水するあたりを掘って、その土で堤防を高くしたのでしょう。


こんな洪水は経験しませんでした。
商売道具のミシンを濡れないように運ぶ、インドの仕立て屋さんです。


面白いのはこの写真です。インドネシアのジャワ島ですが、日常茶飯事なのか、床上浸水を気にしないでテレビに観入る家族たち、
悲惨なのに笑ってしまいます。


そして、カメラマンのスティーヴ・マッキュリーさんの姿も、なかなかのものでした。

今、南アジアや東南アジアは乾季、4月ごろからぼつぼつ雨季がはじまります。




 

2 件のコメント:

rei さんのコメント...

凄い写真ばかりですね。ポカラの安ホテルに泊まった事があるのですが、夜間に豪雨があり、それがトタン?屋根に当たる音が物凄く、無事日本に帰れるかしらと心配して眠れなかった事を思い出しました。

さんのコメント...

reiさん
久しぶりに開いてみて、その迫力に圧倒されました。素敵な写真ばかりです(^^♪
私は友人とカトマンズからポカラにバスで行ったことがあるのですが、急な傾斜地の中ほどに作った道で、結構飛ばすし、すれ違うとき怖い。途中、谷底に残骸になって落ちているバスがいくつか目に入り、ここでバスが転落したら、もしかしたら誰にも見つけてもらえないなと、ぞっとしたことを思い出しました(笑)。
雨には降られなかったから、12月ごろだったでしょうか。帰りはずっと安全な飛行機にしました(笑)。