石であれ、アンパンマンの頭であれ、丸いものについつい惹かれてしまいます。
ガラスの浮きもその一つ、なんとか浜辺で打ち上げられたものに出逢いたいと思っていますが、いまだに出逢っていません。
イギリス骨董のお店でクリケットのボールを見たときは、それまで一度も見たことがなかったのに、一目でクリケットのボールだとわかりました。
家に帰って調べると、
「やっぱりね」
野球のボールよりもっとシンプル、二枚の半円の革を伸ばして縫い合わせただけです。
「こんなに硬いのに、どうやって縫い合わせたんだろう?」
手に取るたびに、ずっしりと重いボールです。
軽いのは、糸で綴った毬です。
球面を三つに分けて、
鉢植えの梅、
籠に盛ったさくら、
そして、垣根からのぞく菊を、刺繍してあります。
菊の花の意匠はちょっと昔風、祖父の画帳に描いてあった菊を思い出します。
細い糸で綴られた毬は、飾りものではなく、実際に遊んだものでしょうか。放りあげると、中に空洞をつくって豆でも入れているのか、かすかな音がします。
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