2013年7月25日木曜日

インシュリン


我が家には、糖尿病の犬がいます。
インシュリンは、犬用のものはなくて、人間用のものを使います。以前はこのビンに入ったインシュリンを注射していましたが、技術は日進月歩しているのか、注射器を使う方法は、ペンシル型の容器に入ったインシュリンをノックする方法に取って代わられ、ビン入りのインシュリンは姿を消してしまいました。
ビンが廃止されてからも、一年近くビン入りを使っていましたが、五月にとうとうなくなってしまいました。
 

しかたなく、ペン型に移行しました。
 

蓋をはずし、

頭に専用の針をかぶせてねじり留めます。


針を装着して蓋を取り、
 
 目盛を打ちたい数字に合わせ、ペンのお尻をノックします。

1単位以下の調節はできないのですが、しばらく前に1.5単位から2単位に増やしていたので、問題はなさそうでした。
ところが、ノックの仕方が弱いと、一度のノックで1単位しか打てず、もたもたしていると、犬が餌を食べ終わってしまいます。
また、注射針はアルコール綿で拭いて、何度か使うのですが、説明書には、使う前に一度1単位空打ちして、針がインシュリンで満たされるのを確かなものとしてから使うと書いてあります。そう高価なものではないとしても、一度に2単位打つのに、1単位は捨てるというのは、なかなか納得できませんでした。

そうこうしているうちに私が入院して、犬の注射担当は夫の手に移りました。
さて入院中、夫からの電話では、糖尿病の犬が、毎日のようにそそうをするようになったとのことでした。
「ぼけた。もう、だめかもしれないな」
「そうかもね」
インシュリンを打ちながらの生活は難しいらしく、我が家はよくやっていると、いつも獣医のK先生に褒められていました。

退院早々、K先生を訪ねました。
「血糖値が高いよ」
「えっ」
思いがけないことに、血糖値は400にもなっていました。それで水ばかり飲み、おしっこが外に到達するまでに間に合わないのでした。
しかも、夫がインシュリンを打つのを忘れていたわけではありませんでした。朝は2単位、夕方は2単位では多いかなと判断して、1単位打っていたと言うのです。もっとも、しっかりノックしないと打てないので、打ったと思っていた量が、打てていなかった可能性はありました。

「新しいやり方、難しすぎます」
人なら、少なくても4単位とか6単位打つので、問題ないのでしょう。
「それがね、前とおんなじように注射器でやれることがわかったよ」
「えっ、どうやって」


「ほら、ここへ注射針を刺せばいいんだよ」
ノック式の専用の針は、上下に針が出ていて、インシュリンの液にも、やっぱり針を刺していたのでした。
「なぁんだ。助かりました。ノック式って、しっかり見極められなくて、いやだったのよね」
「なにせ人間用だから、犬向きには難しいね」


そう、以前のビンは、頭の部分に注射針を刺して使っていたのですが、ペンシル型でも同じことをすればいいのでした。

それからしばらくは、試行錯誤が続きました。
犬の状態が不安定になっていて、血圧が高いかと思えば、同じ量を打っても低血糖になって、足元がふらふらしてしまい、何度かあわてて蜂蜜をなめさせました。

一度、K先生から人間用の簡易血糖値測定器もお借りしましたが、これは肉球に傷をつけ、血液を絞りだすのが難しくて、すぐやめてしまいました。
それでも、やっと元と同じ1.5単位ずつで安定して、そそうもなく、低血糖もなく、今は元気に過ごしています。もっとも食いしん坊の犬ですから、近頃は蜂蜜がなめられなくなったと、残念がっているに違いありませんが。



6 件のコメント:

あつ さんのコメント...

懐かしい・・ 我が家の食いしん坊コーギーも朝晩のインシュリン注射がかかせませんでした。やっぱりペンシルタイプを使っていましたよ。ちなみに今は春さんと同じ、黒いダックスとチワワがいます。犬は本当にかわいいですよね。朝晩の注射大変ですが、少しでも長く一緒にいられますように。ブログで時々登場するダックスちゃんが本当に幸せそうな様子、微笑ましく拝見しています。

さんのコメント...

あつさん
犬とのつき合いは十年ちょっとですが猫と違って言葉が通じるところが面白いです。猫は通じているのかどうか、ちょっとわかりません。呼ぶと来ますが(笑)。
犬ってしかし、本当に食いしん坊ですね。食欲が衰えないから命を永らえているとも言えますが。とくに、糖尿の方は、目が見えない上、耳もほとんど聞こえなくなったので、日常生活には全然不自由しませんが、お出かけと食べることが最大の楽しみです。
ペンシルタイプは昨年から出てきたのかと思っていましたが、以前からあったのですね。人間用インシュリンが犬にも使えてよかったです。
コーギーもたいてい太っちょだから、食欲がありそう。でも食欲のない犬猫より、食欲がある方が、よっぽどありがたいです。

あつ さんのコメント...

我が家のコーギーの場合は、父が希望して人間用に使われていたペンシルタイプを使わせてもらったようです。髪の毛よりも細い針で、痛みをほとんど感じないからと言っていました。
本当に、食欲がない犬猫なんて、心配で仕方ないでしょうね。今日もガツガツありがたいです。

さんのコメント...

あつさん
確かにちょっと針が細いです。夫は一度、突き刺す前に針を曲げてしまいました(笑)。それでも、注射器の針も、昔に比べればずいぶん細くなりました。
私は昔から注射が嫌いで、自分が打ってもらっているときでも絶対目をそむけます。だから、インシュリンを毎日打つと決まった時、まさかこの私がという感じでした。今ではベテランですが(笑)。

makino さんのコメント...

自分、犬を飼っていないので、犬も糖尿病になることも、人間と同じようにインシュリンの注射をすることも知りませんでした。
ちなみに、写真一番上の注射器は浜によく漂着しています。危険なのでこいつだけは見つけるたびに回収してますが、今までに10本以上拾っています。それだけ世の中には糖尿病の人が多いということでしょうか。

さんのコメント...

makinoさん
人がかかる病気はどれも犬にあるようです。注射針はありふれた使い捨てのものです。抗生物質などを注射する時も使ったりするでしょうから、糖尿病だけではないかもしれません。
医療器具は感染を恐れて使い捨てのものがほとんどで、おむつなどとともにその処理は問題になっていますね。
同じ犬ですから、使い捨て注射器は消毒して何日も使っています。消毒綿も何度も使います(ケチ!)
以前のビンタイプは針を突き刺すところが固くできているらしく、何度も突き刺しているとスッと入らなくなりました。明らかに注射される犬にも入りにくくなるので交換していましたが、ペンシルタイプは蓋があり、細い針先を刺すようになっているため、えらく長持ちするようになりました。おかげで、同じ注射針をいつまでも使っています(笑)。