2014年3月27日木曜日
鉛筆を削りながら
鉛筆を削っていて、なんとなく、先日のことを思い出しました。
遊びに来ていた新四年生が、食卓で鉛筆を削っていたことです。
食卓には私が先に座っていたのか、彼の方が先だったか、覚えていません。とにかく削っているのを見つけて、声をかけたのです。
「あらっ、なんか変よ。う~ん、何が変なのかなあ?」
「......」
「ちょっと貸してごらんなさい」
私は彼の鉛筆とカッターナイフを取り上げて、自分でやってみました。
「そうか、あなた親指を動かしているのよ。親指は動かさないで、左手の、鉛筆を握っている指を前後ろに動かすのよ」
ほら、やってごらんなさいと鉛筆を返したのに、彼は削らずに、居間の方に行ってしまいました。そのことはそれっきりになっていたのです。
それが、自分で鉛筆を削っていて突然、彼が褒めてもらいたがっていたのだと気がつきました。
「へぇ、鉛筆が削れるんだ、すごいねぇ」
と。
というのも、彼が必要に迫られてえんぴつを削っていたなら、お絵かき道具を広げていた居間で削ってもよかったし、私に言われて、削るのをよすこともなかったのです。
鉛筆が削れるなら削れるでいいじゃない。どうして大人に褒めてもらいたがるの?
時代が違うとはいえ、おばあちゃん子で三文安かった私でさえ、二年生の時は自分の鉛筆は自分で削っていました。まあ、それは褒めてもらうほどのことじゃないのです。
なんて、彼もかわいくないけれど、私もかわいくありません。
「アメリカ先住民の子なら、四歳でナイフを自在に使えるのよ」
と、言ってやればよかったと思う私は、まぎれもない意地悪ばあさんです。
でも、このあたりの、自分で遊ぶ子どもに比べて、都会の子はいくつになっても大人の目を気にしていると言ったら、言い過ぎでしょうか。
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