2015年1月25日日曜日

『鹿の王』


遅まきながら、『鹿の王』(上橋菜穂子著、角川書店、2014年)を読んでいます。
と言いながら、今回は一気に読めません。
一度に数ページ、一日に数十ページ読んでは、読み続けるのをあきらめ、合間に別の軽い本を読んだりしてしまって、なかなか進みません。
まだ、ペースに乗れないのかもしれませんが、次はどんな展開になるのかと急ぐより、それまで読んだ文の濃さに押しつぶされて、先に行けなくなるという感じです。
登場人物は誰も魅力的で、わくわくしてしまいます。

いつの日か、アニメなどになったり映画になったりしないで欲しい、このまま、押しつけがましい画像にならないで欲しいと願ってやみません。


それにしても、カバーの影山徹さんの絵が美しい。


この絵を見ただけで、深く引きずり込まれてしまう感じです。





6 件のコメント:

mmerian さんのコメント...

この本、知りませんでした。私も読もうかな。でも、私も春さんと一緒でなかなか一気に読み進めません。今も3冊同時に読んでいるのですが、宮本常一の本で明治~昭和初期の日本人の姿に驚きながら、藻谷さんの里山主義で現実を見つめています。面白い本は長く手元に置いたほうがゆっくりその世界に浸れますけれどね。

さんのコメント...

mmerianさん
上橋菜穂子さんの守り人シリーズも、『獣の奏者』もけっこう一気に読んだのに、今回はしっかりもたついています。
藻谷浩介さんの里山資本主義は、昨年、地域の講演会で聞きましたよ。ここは田舎ですが、地域自治とか原発の集会・講演会はわりとあります。
イスラム風刺問題から地域通貨まで、どうやって、お互いに固有の文化を共存させ尊重していけるのか、考えると頭が痛いけれど、自立し、他の生き方も尊重する以外ありませんね。

kuskus さんのコメント...

わたしも『鹿の王』はぐんぐんと読み進めなくて、上巻を読み終えてもう一度読み、今は下巻の再読中です。
すると、細い道を一気に進んでいたのが地図を片手に周りの状況を確認しながら進む感じに変わってきました。
いくつかの要素を織り込みながらも、生きるものとしての
大きなテーマを描き出す上橋菜穂子さんの物語はいつも
強く引っぱられすぎてキケン、キケン。
だけど宝物〜。(笑)

さんのコメント...

kuskusさん
私の本の読み方は、いつもなら、最初は新幹線に乗っているように急いで読んでとりあえず最後まで行き、次にもう少しゆっくり、鈍行で読み、三度目くらいにやっと歩いて、いろいろ発見しながら読むという感じです。何度も楽しめるのですが、要するに一回では、いっぱい読み落としてしまうってこと(笑)。
それがこの本は、最初に新幹線に乗れていない、もたもたしているけれど、景色も見えてないかも(笑)。でも、テーマが重いのがもちろん一因だと思います。
それにしてもいつもながら、登場してくる人、くる人みんな魅力的です。そして、映像的な書き方と言うか、暮らしぶりまで見えてきます。これまでなじんだファンタジー(おもにイギリスもの)には、しばしば「お手洗いはどうなっているんだろう?」と思うものが多いのに、上橋さんは守り人で確かお手洗いの位置まで書いていましたね(笑)。

toki-sapp さんのコメント...

出版した時から、息子の小学卒業記念に買ってあげようと待ち構えていたところです。もちろん私が読むために。
どなたかの感想が聞きたいなと思っていたところでした。

他の話は一気に読みましたが、そうですか、これはゆっくり読み進むようなお話なのですね。
私も、面白い本や映画は猛ダッシュで一回目は終え、何度も繰り返し読み直す方です。
娘がエリンをそうやって何回か読んでいます。
三年だからわからないところの方が多いだろうに、何とか最初の方は読めているようです。

さんのコメント...

toki-sappさん
子どもたちが『鹿の王』を読むのって、素晴らしいと思います。娘ちゃん三年生か。物語は十分伝わると思います。もしかしたら、大人が読むほどには、子どもには重くないかもしれませんね。
最初は征服した人たちと征服された人たち、それに辺境の人たちが出てきて、またそんな設定かと思って、とりあえず状況把握に努めましたが(笑)、読み進むにつれて、登場人物の誰もが素晴らしく、身近に感じられ、哀しさが伝わって来て、ぐいぐい進むところもあり、重くなって本を置いてしまうところもあります。
自然と呼応したこんな世界に、いっとき浸ることができたら、子どもたちは幸せだし、大人になってまた読み返せば、また世界が広がると思います。