お雛さまを片づけるとき、糸でかがった毬をしまい忘れていました。
六角形の箱は当時(大正)のもの、上面はガラスでできています。
厚紙の箱には、紙が貼ってあったかどうか忘れてしまいましたが、傷んでいたのでしょう、母がお雛さま模様の包装紙を貼って、なおしています。
母には、オリジナル尊重という考え方はありません。
父が遠洋航海で立ち寄ったフランスで買ってきたフランス人形は、なかなか凝った生地の服を着ていましたが、色褪せたからと、母お手製の、
「ええぇ!」
と、青ざめてしまうような服に着せ替えられていました。
しかも、白に黒いドットがあった服と、ピンクの透かし織りになった服を着た、二体ともです。下着やペチコートも全部新調されていました。
「持っていく?」
私は、とてももらえませんでしたが、妹も飾っていません。
あの人形たちは今、どうしているのでしょう?
さて、飾り毬は、巻いてある絹糸がすっかり弱って、下地が見えています。
下地をよく見たこともありませんでしたが、花火玉のように、小さな紙の半球を合わせてつくってあるようです。
糸は、手で巻いたのかしら?
私が子どもだった頃、雛壇のわきに活けたしだれ柳の枝に、この毬はつるされていました。数ももっとあったような。
母は高齢で、もう手仕事はしていませんが、もしやっていたとしたら、
「あら、糸が弱ってきたね」
と言って、縫い糸や刺繍糸をぐるぐる巻いて、直してしまいそうです。
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