2017年7月25日火曜日

土産物に見る伝統の技

草刈りをしようとして、麦わら帽子が見当たりませんでした。
「何か、日よけが欲しいなぁ」
と探していて、仮設ゲストハウスの棚に、もう30年も前に、夫か息子が手に入れた、古い帽子があるのを思い出しました。
観光客が喜びそうな、西洋の探検帽と、野球帽をミックスしたような、変な帽子です。
麦わら帽子の代わりに、あれでも被ろうと、取り出してみました。


この、探検帽もどきには、これまで何の関心も払ってきませんでしたが、どうしたわけか、我が家で長く生き残っていました。
改めて見ると、タイの伝統的な帽子のつくり方を踏襲して、それをちょっと変形させてあるのに気づきます。


竹で帽子の形をつくり、その上にココヤシの葉を重ねて縫いつけてあります。


ヤシの葉の集まるてっぺんは、五角形をつくって、縫い綴じてあります。
 

竹を編んだ、内側です。


見事な竹の組み方に、しばし見とれてしまいました。

『Museum of Folk-Culture』より

これは、外側がなだらかな山のような形の帽子の、外側と内側ですが、同じような編み方をしています。
ただ、探検帽もどきのようにこんもりとせず、広がった形なので、竹ひごがすぐに拡散しています。

『Museum of Folk-Culture』より

中に竹で編んだ輪がついていて両脇から頭を挟み、頭から浮かせてかぶる、タイ中部の伝統的な帽子も、同じ編み方でつくっています。

魚を捕っているところですが捕り方は、底の開いた漁具をぱっと被せて、その中に手を突っ込んで魚を掴みます。








2 件のコメント:

karat さんのコメント...

おー!、帽子をひっくり返した内側の写真を見てびっくり、感動しました。
本当に見事な組み方ですね。
この帽子を作ってかぶっている人たちは、外側が傷んだら、外側だけ張りなおすのでしょうか?

さんのコメント...

karatさん
残念ながら、そんなに使い込んだ帽子を被った人を見たことがないので何とも言えません(笑)。今は違うと思いますが、その昔、襟などが擦り切れて破れたシャツを着たタクシー運転手などざらにいました。そんなボロボロのシャツですが、ビシッとアイロンを当てているところに、日本との文化の違いを感じました。

文化の違いといえば、帽子を取り上げましたが、実はタイ人はあまり帽子をかぶりません(笑)。都会の人は被らないし、田舎の人は男女ともパッカマーという、ストールのような浴用布を頭に巻きます。ところが、カンボジアの都会人は、帽子が大好き、猫も杓子も帽子をかぶっています。田舎の人もパッカマーと同じクロマーを巻くけれど、帽子もかぶります。
もっとも、タイの水上マーケットの写真など見るとみんな、魚捕りしている人たちが被っている形の帽子をかぶっているし、お土産人形の物売りなども被っています。
ちょっと、私もわけがわからないです。

その日見当たらなかった麦わら帽子も、形は麦わら帽子ですが材料はヤシの葉の、タイ製です(^^♪