2017年7月30日日曜日

正式な名前が欲しい、「掘りごたつ式テーブル」

夫の大好きな、「掘りごたつ式テーブル」の掘りごたつ部分を、作業棟二階に制作中です。夫は、もともと座るのが苦手だったのに、両膝を人工関節にしてから正座ができなくなりました。それでも椅子など、高いところに座るより、視点を低くして座るのが好きです。

ちなみに、最近では料亭や居酒屋で、掘りごたつ式のテーブルが増えていると思いますが、名前はありません。
「掘りごたつ式テーブル」でなかったら、「掘り卓」、「足入れ卓」などなにか名前があったら便利なのですが。


さて、掘りごたつ部分の周りの壁を張ったら、次は足底の床です。
一階の天井として張った野地板の上に根太を渡し、断熱材を入れて床を張ります。
窓の高さとの取り合い、天井の高さとの取り合いなどから、畳敷きの床の高さが決まっているので、足を入れて快適な高さになるよう、掘りごたつの底は、16センチ高くします。

ちなみに、窓の高さや形は、屋根勾配や、全体のプロポーションから決まってきます。
作業棟はこの辺りの伝統的な納屋や蔵の形を踏襲していますが、屋根が本屋根と下屋の屋根と二段になり、その屋根に挟まれた壁の高さも全体の印象を決定する重要な要素になります。高すぎると間が抜け、低すぎるとちんちくりんになります。
私は設計はできませんが、感じることはできます。作業棟を設計する前に二人で、それこそたくさんの納屋や蔵を見て回って、「あれは壁が高すぎる」、「これはなかなかプロポーションがいい」などと、評価し合い、それを作業棟に生かしました。

内部は、天井として張った野地板の上に適当に床をつくったら、目線が低いところに来て、座っても外の景色を楽しむことができなくなるので、床を高くして、ちょうどいいのです。


床材の杉を、残りものの中から寄せ集めてみました。
長い材もおおよその長さに切って、並べてみて、どのくらいあれば足りるか見当をつけます。
厚さは3センチに揃えますが、幅は揃えていると、無駄が出るので、広いものも狭いものも、そのまま使うことにしました。


サネがついている材もありますが、ほとんどはついていません。


また、40ミリ厚だったものを30ミリに削ったため、サネが真ん中に来ていないまま残っていた材もありました。
 
本実(ほんざね)

それら床材全部に、サネをつけました。


根太の高さは13センチ必要なので、残っていた垂木材を65ミリ厚に削って、二段重ねました。


二段重ねの上の段は、床板を張る土台になるので切れ切れでは困りますが、下の段は問題ありません。短い材を並べて固定し、その上に長い材をビス止めしました。
材料の節約ができたと同時に、張り巡らされた電気配線を除ける切り込みを入れる手間も省けて、一石二鳥でした。


断熱材をたっぷりと敷きます。
断熱材は、母屋をつくったときの残りの羊毛です。
 

そして、床を張りはじめました。


長さに切った板を叩いてサネを嵌め、


凸のサネの上に斜めにビスを打ちます。
ビスは、凹のサネで隠れて、見えなくなります。


あと少し。
 

出来上がりました。
簡単な作業ですが、この舟みたいな、床を張る前はもっと深かった場所に、根太をまたいでたどり着き、出たり入ったり、幅を計っては、材を切るために、階段を上ったり下りたり、いい足の運動になりました。






2 件のコメント:

昭ちゃん さんのコメント...

春姐さん腰かけるで思い出しました。
いまでは高齢者が多くなりお説教でも椅子を使用していますが、
昔の偉い坊さんの絵を見ると
曲彔(きょろく)と言う椅子に腰かけていますね。
 仏教と一緒に伝来したのかなー

さんのコメント...

昭ちゃん
きっとそうでしょうね。日本にはありませんでしたが、中国には椅子文化があったようです。でも、お偉いさんと庶民と分けるとどうだったのでしょう?紫禁城の皇帝が座る椅子なんて、ベッドほどの大きさがありましたが、それを見て、皇帝になりたいとは思いませんでした(笑)。

高さ20センチくらいの低い「腰掛」は世界中どこの社会にもあったようですね。
将棋を見ると、何十手、何百手先を読むことはもう理解の範囲を超えているので何とも思いませんが、長時間正座していられることには、感心してしまいます(笑)。