2022年6月30日木曜日

薪の命


我が家は西側には開けていたのですが、木々がすっかり大きくなって、視界が遮られてしまっています。


テラスの端まで行っても、足尾山と加波山はやっと見えるものの、左手の筑波山は隠れてしまっています。以前は、山の稜線がつながって見えていたものでした。
手前のイチジクは初秋に楽しませてくれるのでそのまま、ケヤキもテラスに日陰をつくってくれるのでそのまま、枝も切る気はありません。遠くのヒノキは他人さまが植えたものだから、伐るわけにはいかない、しかし、どでーんと視界を遮っている桜は自分で植えたもの、伐ってしまうかどうか悩むところです。

2015年に、視界を邪魔していたカシの木を(これも他人さまの土地に生えたものでしたが、勝手に生えたものだからと解釈して)樵のかとうさんに伐っていただいたことがありました。

右は梅、左はイヌザンショ、ホオノキは真ん中に立っている細いの。

かとうさんたちは、伐ったカシの木を丁寧に玉切りして、まだ細かった実生のホオノキの周りに集めてくださいました。ところが、薪割りはなかなか追いつかず、細い枝や薪割り機に掛けられる太さのものはすべて割ったのですが、太いものは残ったままになっていました。


これは、カシの木を切ってから1年半後の写真、ホオノキの足元には、草に覆われてよく見えないのですが、薪が転がっていてます。
この薪をひっくり返すとカブトムシなどの幼虫がいて、イノシシに見つかりませんようにとそっと見て、戻しておいたりしたものでした。
ところが数年前、この薪がイノシシに見つかり、薪を転がして、幼虫を食べるようになりました。
傾斜地なので、薪は途中でとどまるものもありましたが、下の草を刈ってないところまで転がって行ってしまうものもありました。


昨日、このあたりの草を刈ると、ホオノキの足元には、薪はほとんど残っていませんでした。


あちこちに散らばってしまった薪は、一度ならず二度三度転がされ、朽ちて、ほとんど土に返ろうとしています。


薪につくり切れなかったという後ろめたさがありましたが、カブトムシをはじめたくさんの命を養って、さらに土になろうとしている薪に、ありがとうです。





2 件のコメント:

hiyoco さんのコメント...

2階の西の窓から身を乗り出せばマンションとマンションの間に海が見えるのですが、引っ越してきた当時はもっと見えていた気がします。20年経って防砂林の木々が大きくなってしまいました(笑)。海の環境は厳しいから少しずつでしょうけど。
硬いカシの木も時間が経てはカブトムシの餌となるほど朽ちるのですね~。イノシシがカブトムシの幼虫を食べるなんてびっくり!

さんのコメント...

hiyocoさん
前は堆肥を積んでいました。堆肥の中にはカブトムシの幼虫がうっじゃうじゃ、楽しい集団生活をしていましたが、すべてイノシシに掘り返されてしまいました。それからはカブトムシの幼虫が楽しく暮らせるような環境はつくらなくなりました。
カシの木に関してはカブトムシの幼虫は木の中というよりその下、土との間にいました。タマムシの幼虫などは中にいて、だんだん木が朽ちていくのですが。
ここに越して来たとき、旧家の木は大きくて、とうていかなわないと思っていたのに、木ってすぐ大きくなって、むしろ大きくしないようにする方がずっと大変なことに気がついたときは遅かった(笑)。