2009年12月7日月曜日
ココヤシのおろし金
これは、タイやカンボジアの市場で普通に売っている、ココヤシをすりおろす道具です。低い、木の椅子を買ってきて、あるいはつくって、長手方向にこのおろし金をとりつけます。
そして半分に割ったココヤシを持ち、この椅子にまたがって腰掛け、内側についている白い果肉(コプラ)を、金具でがりがりとこそげ落とします。下には、もちろんお鍋などを受けておきます。
すりおろしたコプラを絞ると、お菓子づくりやお料理に必要な、ココナツミルクがとれるというわけです。東南アジアで、お料理にココナツミルクを使うのは、どちらかといえば島嶼部ですが、内陸のラオスでも、生菓子には必ずココナツミルクが使われています。
いまでは、大きな市場だったら、コプラをすりおろす機械が、騒々しい音をたてていて、すりおろしたものを売っています。買ってきてすぐ使うのには便利ですが、好きなとき使いたいなら、このおろし金とココヤシの実を台所に常備しておくに限ります。
ちょっと前までは、町にも田舎にも、生活を豊かにするためには時間と労力を惜しまない、優雅な人々がたくさんいました。そっけない椅子より、動物の形をしている方が楽しかろうと、大きな木を削って、いろいろな形のココヤシ削りをつくっています。なかでも、ウサギの形をしたものは、一般的だったようでした。
これは、象の形のおろし金ですが、象を身近に見ている人でなくては、とてもこんなひざまずいた象は彫れないのではないかと思います。象の特徴を、よくとらえています。
象の鼻になっている金具は、どうも自動車の部品を利用したようです。
象をつくろうと思って金具をさがしてきたのでしょうか?あるいは、金具を見て象にしようと考えたのでしょうか?私は後者だと思うのですが。
上のおろし金はマレーシアのボルネオ島の、川沿いに上っていった町の小さな市場で買いました。下は、インドネシアのジャワ島の市場で買ったものです。どちらも、分厚いブリキを目立てしています。
私はココヤシのおろし金だと思ったのですが、別のものもすりおろすのでしょうか。
重くて、立てた目は鋭く、これを持って夫婦喧嘩をしたら、悲惨なことになりそうです。
これもインドネシアで買いましたが、上のおろし金に比べればお粗末で、素人細工もいいところです。
裏から、釘のようなものを当てて叩いたのか、ただ穴が開いています。
でも、光を通したら、とってもきれいでした。
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