2010年10月21日木曜日
食卓の明かり
我が家には、天井からぶらさがっているペンダントライトは一つだけ、食卓の明かりです。
今まで、食卓でいろんな照明を経験してきましたが、新しく買うなら、食事中まぶしく感じない明かりが欲しいと思っていました。
極々若いとき、ガーナの古い都クマシで暮らしたときは、レンガ造りの、築百年以上の素敵な家に住みました。しかし、照明器具が、まったくついていないのに困りました。
結局、大きなケント紙で折った手製のランプシェードを幾つかつくって使いましたが、食卓には、中を白く塗ったひょうたんをぶらさげました。
写真は直径20センチほどのひょうたんですが、そのランプシェードにしていたひょうたんは、直径が40センチもありました。気に入って、引越しのたびに持って行って、ずいぶん長く使いましたが、ついに割れてしまいました。
タイで暮らしていたときは、竹の笠をランプシェードにしていました。
そして、カンボジアでは、ヴェトナム製の籠を利用してつくりました。
写真の籠は、ヴェトナムで買ったもので、直径が45センチもある大きな籠ですが、カンボジアのプノンペンの市場で売っていたのは、直径20センチから25センチの、同じデザインの小さな籠でした。たぶん、キンマの道具を入れるために、売られていたのでしょう。
電気をつけると、縁の飾り帯からもれてくる光が、周りの壁に模様を描いて、とても雰囲気がありました。
そのランプシェードは、次にその部屋を借りる女性が気に入ってくれたので、そのまま置いてきました。
それにしてもヴェトナム人(平地に住むキン族の人々のことですが)は、手が込んでいながらも、すぐに壊れてしまうようなもろい籠をつくる確信犯だと思います。
持ち手に巻いてあるのも、通してあるのもラタンですから、籠の縁もラタンで巻けばもっと強いのに、柔軟性のない、硬い竹のような素材で巻いてあります。だから、気をつけていても、すぐにぼきぼき折れてしまいます。
持ち手から底へと通してあるラタンも、編みもしないで使っているので、中にものを入れて、持ち上げただけで切れました。こんな大きな籠ですから、軽いものを入れたって、ある程度の重さになります。
壊れ易く、はかなく、きゃしゃに、きゃしゃにつくるのが、ヴェトナム人の美学としか思えません。
そういえば、私の学生時代に日本で流行った、ヴェトナム製のイグサで編んだカラフルな籠も、すぐに持ち手がとれました。
八郷に来て、仮小屋に住むようになってからは、アフリカの草籠をランプシェードとして使っていました。ヴェトナムの籠とは対照的に、とっても頑丈な籠です。ジンバブエあたりの籠でしょうか。
ただ、食事中はまぶしいので、食卓近くまでさげて使っていました。そのため、食卓の向こう側に座る人の顔が隠れて見えません。夫婦二人だけのときは見えなくても問題ありませんが、お客さんが来たときは、さすがにちょっと具合の悪いものでした。高くするとまぶしいし。
というわけで、最終選考に残ったのは、昔デンマーク人の友人宅で見たことのある、まぶしくないルイスポールセンのライトでした。
装飾的過ぎない?、大きすぎない?と、我が家で使う自信が持てませんでしたが、わざわざ行った照明器具屋さんで実際に見て、やっぱりこれにしました。
今年1月に訪問したその友人の家にも、やっぱり同じライトがついていました。
前に見たのは、30年も前でしたのに。
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2 件のコメント:
瓢箪のライト、灯したところ見てみたいです。
琺瑯やアルミのシェードみたいに灯りは一切もれないのでしょうか?
読み進んでみて、今のお住まいで、
ルイスポールセンがまさか来るとは思いませんでした。
いい意味で裏切られました笑。
でもやっぱりお似合いです。
これは永遠の憧れです。
うちは、もう廃盤になった無印のガラス円盤のペンダントライトです。
北欧モダンの真似っぽい感じに甘んじていましたが、なんだか飽きないので、ずっと使い続けるんでしょうね。
toki-sappさん
あはは、裏切りましたね。ルイスポールセンはいわゆるブランド物ですか?それすら知らないのですが、機能には好きでした。でも、まさか自分の家で使うなんて思ってもいなかったのですが。
実は、酔った建築家の友人から、もっとシンプルなのにしたらよかったとしつこく絡まれたことがありました。ルイスポールセンにだって、もっとシンプルなのがあるって。でもそれもよく見たんですよ。なぜか家には似合いそうになかったし、まぶしくないのをとりました。
ひょうたんのライトは、光が漏れません。今考えると、ちょっと穴を開けたらもっとよかったかも。
益子には、小さなひょうたん形のひょうたんに、たくさんの小さな穴を開け、ところどころガラス玉など埋め込んで、素敵なライトをつくっている方がいらっしゃいます。
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