以前、
カンボジアの鎌、
エチオピアの鎌、
バングラデシュの鎌、
穂刈りの鎌などをUPしましたが、馴染み深いタイの鎌については、
「タイには、歴史的に鍛冶屋が発達してこなかった」
などという話ばかりで、UPするのを、すっかり忘れていました。
まるで三日月のように湾曲しているのが、タイの鎌の特徴です。
これは、どこの雑貨屋でも金物屋でも売っている、もっともありふれた鎌で、タイ全土、およびカンボジアの西部などで使われています。おそらく、タイの工場でつくっていて、ラオスなどでも使われているのでしょう。
持ち手まで、刃と一体の金物でできています。これに柄を継ぎ足すこともできますが、だいたいそのままで使っているようです。
稲は、株を10センチから30センチ残して刈り取ります。
誰かにいただいた古い鎌です。やはり湾曲していますが、現在のものより緩やかな弧を描いています。
チェンマイの骨董屋さんで見つけた古い鎌、刃も柄も、形がとても美しいものです。
こちらは、ちょっと小ぶりですから、穂刈り用の鎌でしょうか?
タイ北部には、山岳地帯にたくさんの民族が住んでいて、水稲ではなく、陸稲をつくっています。陸稲は、そのままでも運搬できるからでしょうか、たいてい穂刈りにされます。
最後は、稲刈り用ではなくて、芥子の収穫に使う鎌です。これも、山岳民族の使っていたものです。
芥子は、花のあとに芥子坊主ができます。それに傷をつけておいて液を集めて、アヘンにするのですが、その液を、この幅広の鎌に乗せて、練るのだと聞いたことがあります。
形は、とてもユーモラスですが。
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