2012年4月1日日曜日

鹿のおもちゃ


お土産の「鹿のおもちゃ」の双璧と言えば、奈良と宮島です。

奈良には一刀彫、張り子、竹細工などの鹿があり、宮島には土をひねってつくった、鹿の背中に猿が乗っている、いずれも小さくてかわいい鹿のおもちゃがありました(す?)。

その全部を持っていたはずなのに、どうしたのでしょう。引っ越し人生で、荷物をつくったりほどいたり、無人の家に保管しておいたり、を繰り返していたうちに、ほとんどが失われてしまいました。

いつも一人で荷物をつくったり開けたりするわけではありません。夫、息子、友人たちが手伝ってもくれましたから、小さいものは包んだ包装紙とともに、うっかり失われたりしたのでした。
もちろん、人のせいばかりではなく、自分でもやっていたのでしょう。なにしろいつも大荷物で、てんやわんやで、包むときもほどくときもうんざりしていましたから。


そんな、失われた奈良一刀彫の鹿と、骨董市で出逢いました。
つがい+子鹿の、三匹の組み合わせのはずですが、オス二匹、メス一匹、子鹿二匹が、ほかのものと一緒に、箱にばらばらと入っていました。
値段は、全部で100円でした。ラッキー!

以前は、学生時代に買った一刀彫の鹿と、その後買ったのと二組持っていましたが、時代が新しくなると小さくなっていました。
この鹿たち、セットにしては大きさが、ずいぶんまちまちです。


メス鹿は、ほかの鹿と目が違い、大きさも大きいので、一番古いものかと思いました。


奈良の、竹の枝の鹿は、つがいだったのに一匹だけ残っています。
そして、張り子の鹿は、とってもかわいいものですが、残念ながら一匹も残っていません。


何故か失われてしまった鹿たちですが、大きな張り子のお面は残っています。
子どもなら頭にかぶれる大きさです。


ところで、この張り子は奈良のものか、宮島のものか、あるいはそれ以外の地方のものか、全然わかりません。

愛媛県の宇和島に鹿踊りがあり、鹿面もあるのですが、もっとリアルなお面のようです。
裏にラベルが貼ってあるのですが、制作者の名前が書いてあるだけ、どこでつくられたものかは、まったく記されていません。

友人Sの亡父上は、ケニアから木彫りの鹿を輸入する仕事をされていました。奈良と、宮島に卸して、そこでお土産物として売られていたのです。
お土産ものにも押し寄せた、国際化の波。
というわけで、今でも奈良や宮島の鹿のおもちゃが、その土地でつくられているのかどうかは、わかりません。


これは、三十年ほど前のインドネシアのバリ島で手に入れた木彫りの鹿です。
当時はカエルや鹿をよく見かけましたが、日本人など観光客の増えた十年前には、主流は猫たちでした。
今は、どうなのでしょう。

追記:
10年後の追記です。
鹿面は、愛媛県宇和島のものです。『日本郷土玩具事典』にもちゃんと載っていたのに、気がつきませんでした。


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