2012年4月2日月曜日

中国の桶



中国の桶です。

日本の桶は、側板が上部にいくと、底部より広がりはしますが、側板の縦方向の断面としては、真っすぐなものばかりです。
また、西洋のウイスキー樽、ワイン樽などは、真ん中あたりが膨らんで、太鼓型になっています。
ところがこの桶は、側板が丸みを持って上がっていき、さらに上部で外に開いています。
なにも桶でこんな形をつくらないで、轆轤で引いたら楽じゃないの。あるいは、簡単な形の桶でいいじゃないの。と言いたいところですが、そこが桶職人の心意気だったのでしょう。

八年程前に、鎌倉の友人Cさんの家に遊びに行ったとき、
「あなたの好きそうなものを置いているお店があるのよ」
と連れて行ってもらった、中国骨董のお店で出逢ったものです。
なるほど、 長いつき合いのCさんは私の好みをよく知っていました。いわゆる官用ではなくて、民用のものばかり置いていて、どれも素敵でした。
中でも心引かれたのが、ラオスで見たのとまったく同じ、手のついた籠でした。残念ながら、手に入れることはできませんでしたが。

  
我が家ではこの桶、果物の盛り鉢として使っていますが、もとは何として使われていたものでしょうか。

洗面器?
まさか、おまるじゃなかったでしょうね?
昔上海で、バケツ型の美しい漆塗りのおまるを、町屋の門先に干していたのを、毎朝見かけました。すごく素敵で、人にたずねなければ、おまるとは気がつかないものでした。
 
 

外側には漆がかかっていますが、内側にも少しだけ色が残っています。
かつては総漆塗りだったものが、毎日のようにごしごし洗われたと見えて、漆は剥がれ落ち、さらに木まで削れたのでしょう、木目に沿って凹凸ができています。


たがは銅板をたたいて、コの字型にしたもの、底回りは平たい銅板が使ってあります。
広い中国のどこでつくられていたものか、何もわかりませんが、これを見ていると、上海郊外の村の、使い込まれた黒光りしている竃のある台所を思い出します。


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