木の匙は、古今東西、いろいろな文化に見つけられる、人の暮らしと密着した道具です。
これはインドネシアのバリ島の市場の、雑貨屋さんで見つけたしゃもじですが、持ち手が縦型になっています。
よくあるしゃもじはこう握るところを、
バリ島のしゃもじはこう握ります。
善し悪しではなくて、ただ考え方が違うつくり方です。
大量につくって売るなら、平たいしゃもじの方が簡単に木取りできて、材料も少なくて済みます。バリ島のしゃもじも、市場で売られていたのですから、この原理に基づいているはずですが、もともと家庭でつくっていた形をそのまま踏襲したこと、バリ島は木彫りの盛んな土地なのでつくり手も多少の面倒は厭わないこと、などの理由が重なって、今でもこのようなしゃもじが流通しているのでしょう。
以前紹介した
イフガオの匙も、自家用の手づくりだからこその形をしています。
奥のイギリスの匙だったら、同じ木からもっとたくさん取れたでしょう。
そんな計算をする必要のないものだから、つくりたい形につくってあります。
さすがに、古い木の匙を日常使って、口に入れたりする気にはなれないので(といっても、イギリスの匙は使っている)飾ってありますが、同じくフィリピンの北ルソンのボウルと合わせてみました。
ボウルはご飯茶わんだったのでしょうか? 棚田の村の風景が目に見えるようです。
4 件のコメント:
今森さんが先日バリ島へ取材に行ったら、バブルの影響で6年前とかなり変わっていてショックを受けたそうです。
「神様の階段」も危ないかも。涙
お待ちどうさまでした全部送付しました。
順次UPすると思います。
友人の山田さんが管理しているので、、、。
mmerianさん
そんなにかわっていましたか。毎日の暮らし至上ではなく、銭が儲かるなら儲けようと世界中が変わっていくのは寂しいことです。その果てはどうなるのか。
私がこれを買ったのは30年前(笑)で、15年ほど前に行ったときは植物園を見るのが目的で(笑)、全然観光地を見なかったので、あまり変化にも気づいていませんでした(笑)。確か、デンパサールの市場には15年前にも行ったような気もします。
絶対変わらないだろうと思っていたインドも変わったし、文化が崩れたあと、バリは観光におんぶしか道がなさそうだし...。
昭ちゃん
見てきましたよ。面白いですね。乾電池から炭素棒を取り出して遊んでいたのを思い出しました。
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